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    <title>遠藤功の現場千本ノック - 現場力を追い求めて -</title>
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    <updated>2012-05-10T00:51:56Z</updated>
    <subtitle>現場こそ競争力である　?　その信念を胸に、私はこれまで数多くの現場を訪ねてきました。過去の手帳を遡って数えてみると、その数はゆうに３００を超えています。
現場を訪問すると実にワクワクします。学ぶこと、発見することがたくさんあります。そうした私の「体験」を記録として残すことを目的に、このサイトを立ち上げることにしました。</subtitle>
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    <title>第４０話　積水ハウス株式会社東北工場</title>
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    <published>2012-05-09T07:34:07Z</published>
    <updated>2012-05-10T00:51:56Z</updated>

    <summary>　宮城県加美郡色麻（しかま）町。仙台の北西に位置する人口７４００人あまりの町であ...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
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        <![CDATA[　宮城県加美郡色麻（しかま）町。仙台の北西に位置する人口７４００人あまりの町である。米作を中心とするこの農業の町に、積水ハウスの東北工場がある。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B91.jpg"><img alt="40積水ハウス1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/05/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B91-thumb-300x149-640.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="149" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">東北工場外観</font><br /></div><br />　今回は仙台空港から車で向かった。東日本大震災の時の津波が押し寄せる仙台空港の映像は衝撃的なものだった。高速道路から車中眺める景色にも、瓦礫の山など大震災の爪痕がいまだに残っている。<br />　積水ハウス東北工場は幸いにも直接的な被害は受けなかった。停電による一時的な操業停止はあったものの、被災から１週間あまりの３月１９日には操業を再開した。<br />　そして、東北工場はこれまでに２８００戸の仮設住宅を供給し、復旧・復興の一翼を担っている。今後、被災地の公営住宅の建設が始まる。その規模は宮城、岩手、福島の３県で向こう３年間で２万戸と言われている。大手ハウスメーカー、地場の工務店を巻き込んだ受注合戦が繰り広げられていると言う。<br />　しかし、東北工場の柱はあくまでも、一棟ごとの自由設計にもとづく「邸別受注生産」である。一棟一棟の設計・施工計画に則って、出荷日から逆算して一棟ずつ生産する。必要なものを、必要な時に、必要なだけ生産するというジャスト・イン・タイム生産が行われている。生産能力は５００戸/月。棟にすると２００棟/月である。<br />　大手住宅メーカーは物流コストを軽減するため、それぞれの地域毎に工場を持ち、地域内での一貫生産を基本としている。積水ハウスも東北、関東、静岡、兵庫、山口と国内５工場体制を敷いている。東北工場は平成９年８月に国内６番目の工場（その後、滋賀工場は閉鎖）として生産を開始し、東北６県と北海道、新潟エリアを担当している。<br />　東北工場の最大の特徴は、製造業務そのものは外部の協力会社が中心となって行っていることである。積水ハウスの社員数は約１００名に対し、協力会社の社員は約１５０名。積水側は管理・統括を担当し、実際の製造工程そのものは協力会社の社員が担っている。近隣にある複数の協力会社から部材の供給を受けているが、そこでも約３００名が勤務している。<br />　東北工場以外の工場でも協力会社は活用しているが、ここまで全面的に協力会社を起用しているのは東北工場だけだと言う。東北工場が稼働を開始した今から１５年前の状況を考えると、どのモノづくり企業も固定費を抑え、アウトソーシングや業務委託によって変動費化することがひとつの流れであった。<br />　確かに製造コストに占める労務費という意味では、業務委託によってコスト削減は可能だ。しかしその一方で、現場の指揮命令系統は複雑になり、労務管理、品質管理といった面でも組織内での徹底が難しくなるのが一般的だ。メーカー側からすると、製造ノウハウがブラックボックス化したり、設備のメンテナンス能力を喪失するといった弊害も多くの現場で生まれている。<br />　そんな中で、東北工場は複数の協力会社との緊密な連携を保ち、「バーチャル・ワン・ファクトリー」として整然と運営されている。管理職、現場リーダーレベルでの方針の徹底、緊密なコミュニケーション、情報の開示・共有がなければ、こうしたオペレーションはうまく機能しない。<br />　私の個人的な意見としては、日本のモノづくりの現場は正社員を中心とした内製化を柱とすべきだと思っている。日本独自の現場力という競争力を磨くためには、同じ目標、価値観を共有し、一体となった運営が可能な組織形態の方が望ましい。現場をコストセンターとしてではなく、バリューセンターと位置付けることによって、現場力は発揮される。<br />　しかし、東北工場のように操業開始時から協力会社を軸とする生産体制を敷いたところは、状況が異なる面もある。当初から協力会社をパートナーとして位置付け、「運命共同体」を形成しているのだから、「ワンチーム」として機能する確率は高い。それでも、「組織密度」を常に高める不断の努力と工夫は不可欠である。<br />　日本の大手住宅メーカーは、コンピュータやロボットなどの自動化を駆使し、「工業化」を推し進めてきた。機械にできるものは、できるだけ機械にやらせる。そのことによって、コストを削減し、品質も安定させる。東北工場も機械化による省人化、省力化に取り組んできた。<br />　その一方で、お客さまのご要望にはきめ細かく対応できるフレキシビリティも兼ね備えなければならない。その両立をどう実現するかが、現場の腕の見せどころである。「邸別受注」という高付加価値の実現とより一層の効率性・品質の追求は、けっして「二律背反」ではない。<br />　鉄骨工程と外壁パネル工程を見学させていただいた。住宅の梁など１棟に使う鉄骨の量は約５トン。マテハンロボットや溶接ロボットを駆使して、切断・穴あけ、溶接、防錆の加工を行っている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B92.jpg"><img alt="40積水ハウス2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/05/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B92-thumb-300x282-642.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="201" width="214" /></a><font style="font-size: 0.8em;">鉄骨工程</font><br /></div><br /><br />　鉄骨工程のラインは約８０ｍ。そこに携わる協力会社の社員は常時２名にすぎない。<br />　鉄骨工程だからといって、単純作業の繰り返しと思ってはいけない。一棟ごとに鉄骨の長さは異なるし、穴をあける位置や大きさも微妙に異なる。「邸別受注」を可能にするためには、設計や施工の意向を踏まえ、お客さまの「わがまま」に応えなければならない。<br />　それは外壁パネル工程も同様である。全長７００ｍのコンベアで、貼り合わせ、一体化、塗装という作業が流れていくが、塗装の色のバリエーションだけで２５０種類もあるという。「邸別受注」による色とデザインのバリエーションに効率的に対応することが求められる。現在は塗装のセット替えに１日４０分近くかかっているが、現場の知恵でこうした不稼働時間をさらに短縮することが課題だという。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B93.jpg"><img alt="40積水ハウス3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/05/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B93-thumb-300x292-644.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="208" width="214" /></a><font style="font-size: 0.8em;">外壁パネル工程</font><br /><br /></div><br />　積水ハウスの工場には、同社の住まいの構造や性能を分かりやすく紹介する施設「住まいの夢工場」が併設されている。東北工場の敷地内にもテーマパークのような立派な施設があり、毎月１５０~２００人が来訪する。<br />　ここは「夢を売る」一般の展示場とは違い、住宅の構造や部材の特徴など住宅の機能的な面を分かりやすく体験し、理解する施設である。数多くの実験装置が設置されており、住宅の構造の違い、性能の違いなどを体感することができる。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B94.jpg"><img alt="40積水ハウス4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/05/40%E7%A9%8D%E6%B0%B4%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B94-thumb-300x179-646.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="168" width="282" /></a><font style="font-size: 0.8em;">住まいの夢工場</font><br /><br /></div><br />　日本における２０１０年の住宅着工戸数は８１．３万戸。２０年前の１９９０年は１６７．３万戸を記録したが、今ではその半分以下にすぎない。<br />　一方、住宅メーカーの数はとても多く、それぞれの地域に有力な地場密着の工務店（パワービルダー）が存在する。積水ハウスは売上高１兆円を超える最大手だが、それでも市場シェアは１．３％程度にすぎない。いかに住宅産業が分散型市場であるかが分かる。<br />　需要の低迷、価格の下落、原材料費などの高騰など、大手住宅メーカーを取り巻く環境は厳しい。価格破壊が進行する中で、積水ハウスのような大手がパワービルダーに対抗するためには、大手ならではの独自性ある差別化を実現しなくてはならない。「住まいの夢工場」はそのための重要なエンジンとして、更なる進化が求められている。<br />　住宅は「一生に一度の大きな買い物」である。モノづくりだけではなく、情緒性、嗜好性、機能性、合理性など買い手のあらゆる側面にきめ細かく対応する「新たなビジネスモデル」を打ち出すことが求められている。<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３９話　鶴岡市立加茂水族館</title>
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    <published>2012-04-04T00:00:00Z</published>
    <updated>2012-04-04T01:05:08Z</updated>

    <summary>　久しぶりに心躍る現場に出会った。山形県鶴岡市にある鶴岡市立加茂水族館である。「...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
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        <![CDATA[　久しぶりに心躍る現場に出会った。山形県鶴岡市にある鶴岡市立加茂水族館である。「クラゲの水族館」として有名になり、オワンクラゲの研究でノーベル化学賞を受賞された下村脩博士が２０１０年に訪館されたことで、全国的な話題となった。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A80.jpg"><img alt="39加茂水族館0.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A80-thumb-300x225-620.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="225" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">加茂水族館入口</font><br /></div><br /><br />　私も以前、国内線の機内誌でこの水族館の特集を見て、「こんな面白い水族館があるんだ！」と興味を持ったが、肝心の水族館の名前を失念していた。今回、講演のために鶴岡を訪問する機会があり、講演を主催していただいた方が「クラゲの水族館に行きますか？」と声をかけていただき、訪問が実現した。<br />　７２歳の村上龍男館長からお話を伺った。その中身の面白いこと！唸るやら、感動するやら、笑うやら・・・。加茂水族館のリアル・エピソードと村上館長の話術とお人柄に魅せられてしまった。そして、この水族館こそ、多くの悩める中小企業にとってのお手本であり、日本の誇る「現場力」の実践事例であると認識した。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A81.jpg"><img alt="39加茂水族館1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A81-thumb-300x210-622.jpg" class="mt-image-none" height="180" width="266" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A8.jpg"><img alt="39加茂水族館.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A8-thumb-300x225-624.jpg" class="mt-image-none" height="195" width="260" /></a>　　　　<br />　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">全景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　村上館長</font><br /><br /><br />　加茂水族館の歴史は古い。「山形県水族館」として創設されたのは、なんと１９３０年。今から８０年以上も前のことである。<br />　現在の地に移転し、新築オープンしたのは、１９６４年。ここから数えても４８年の歴史を誇る。村上館長は１９６７年に館長に就任されたので、実に館長歴４５年である。<br />　１９６４年に新築オープンした際は、鶴岡市立であったが、村上館長が館長に就任した１９６７年に民間企業が経営に参画。株式会社庄内観光公社が運営母体となった。<br />　クラゲ人気が出始めた２００２年に、鶴岡市が再度買い取り、鶴岡市立加茂水族館となった。現在の運営母体は鶴岡市開発公社である。<br />　村上館長はこの水族館のことを、「"老朽・弱小・貧乏"と３拍子そろった水族館」と揶揄する。確かに、規模は小さく、設備もお世辞にも立派とは言えない。<br />　全国に約７０もの水族館があるが、その中で最も小さく、老朽化した水族館が、この加茂水族館である。「アシカショー」用のステージはあるが、都心の人気水族館のような多様な水生生物が遊泳する巨大水槽があるわけではない。言葉は悪いが、見た目は「田舎の寂れた水族館」である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A82.jpg"><img alt="39加茂水族館2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A82-thumb-300x210-626.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">アシカショーのステージ</font><br /><br /></div><br />　この水族館を「全国区」に押し上げたのは、まぎれもなく「クラゲ」である。今では、３５種類以上のクラゲを常時展示する、世界一のクラゲ水族館である。公募で名付けられたクラゲの展示施設「クラネタリウム」は、手づくり感満載だが、他の水族館では味わえない感動と驚きに充ちている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A83.jpg"><img alt="39加茂水族館3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A83-thumb-300x210-628.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">クラネタリウム</font><br /></div><br />　面白いのは、「助けの神」となったクラゲとの出会いが、実は偶然だったということ。１９９０年代後半、この水族館は経営の危機に瀕していた。１９６７年のオープン当初、約２１万人だった入館者数は、１９９７年に１０万人を割り、その後ずっと９万人台と低迷を続けていた。村上館長は「倒産も覚悟していた」と本音を語ってくれた。<br />　そんな時、サンゴの水槽から白い泡のようなものが湧き立つのを発見した。館長いわく、「クラゲが勝手に湧いてきた」。最初はそれが何かも分からなかったが、実はクラゲのポリープ（卵）だった。餌を与えてみると、クラゲの幼生・プラヌラになり、そして２ヶ月後に３ｃｍほどのクラゲになったという。「これはいけるかも・・・」と直感的に思い、何の根拠もなかったが、クラゲの展示を徐々に増やしていった。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A84.jpg"><img alt="39加茂水族館4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A84-thumb-300x210-630.jpg" class="mt-image-none" height="187" width="272" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A85.jpg"><img alt="39加茂水族館5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A85-thumb-300x210-632.jpg" class="mt-image-none" height="186" width="272" /></a><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A86.jpg"><img alt="39加茂水族館6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A86-thumb-300x210-634.jpg" class="mt-image-none" height="185" width="270" /></a><font style="font-size: 0.8em;">　　様々なクラゲの展示</font><br /><br />　すると、来館者もクラゲを見て、楽しそうに喜んでいる。当時は、循環式の水槽がなかったので、手で水をかき回した。そうするとクラゲが泳いでいるように見えるので、来館者は大喜びだった。<br />「正直、苦し紛れに始めたが、徐々に手応えを感じ始めていった」と村上館長は振り返る。それが１９９７年から１９９９年にかけてであった。<br />　しかし、クラゲ飼育のノウハウもなければ、館長が「貧乏のドン底」と振り返るほど、お金がなかった。クラゲのポリープは肉眼では確認できないほど小さい。どうしても顕微鏡が必要なのだが、買うことができなかった。<br />　また、偶然出会ったクラゲだが、実は飼育は容易ではなかった。クラゲが次から次に死んでいくが、その理由さえ分からなかった。まさに、徒手空拳でクラゲの飼育・繁殖に挑んでいった。<br />　その努力は涙ぐましい。職員総出で、海に出て、クラゲを採集する。クラゲの飼育には循環式水槽や恒温箱が不可欠だが、お金がないので、自分たちで手探りで設計したり、作ったりした。金も人もノウハウもなかったが、自分たちの知恵と努力だけでやってきたのだ。<br />　２０００年には、クラゲ展示数が１１?１２種類となり、日本一になった。クラゲと偶然出会い、クラゲにのめり込んでいった"張本人"である奥泉和也副館長が中心となり、繁殖に心血を注いだ。キタミズクラゲの累代繁殖で、日本動物園水族館協会の「繁殖賞」も受賞した。２００３年、繁殖室は「鶴岡市クラゲ研究所」と命名された。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A87.jpg"><img alt="39加茂水族館7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A87-thumb-300x210-636.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">「クラゲ研究所」内部</font><br /></div><br /><br />　そして、２００５年、加茂水族館のクラゲ展示数は２０種となり、世界一となった。東北の小さな水族館が、１０年近い歳月をクラゲに捧げ、とうとう世界一となったのである。<br />　加茂水族館では、クラゲに関する教育にも力を注いでいる。小学生以上を対象にした「クラゲ学習会」や海岸でクラゲを採集し、顕微鏡で観察する「クラゲ採集観察会」などを実施し、地元で大人気だ。<br />　アイデアマンの村上館長は、クラゲと食を結びつけ、様々なアイデア食品を生み出しては、話題を提供している。２００３年に「クラゲアイスクリーム」を販売。年に１千万円を売るヒット商品となっている。<br />　それ以外にも、「クラゲ入り羊羹」「クラゲ入り饅頭」「クラゲラーメン」などが登場。２００６年には、『クラゲレストラン』をオープンさせた。私も「クラゲラーメン」と「クラゲアイスクリーム」を食したが、塩味の「クラゲラーメン」はまた食べたくなるほどの味だった。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A88.jpg"><img alt="39加茂水族館8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/04/39%E5%8A%A0%E8%8C%82%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A88-thumb-300x210-638.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">クラゲラーメン</font><br /></div><br />　こうした地道で多彩な努力が実り、１９９９年に１０万人を割った入館者数は徐々に回復。２００３年は１３万２千人、２００５年は１７万４千人、そして下村脩博士を迎えた２００９年には２２万人を突破。オープン以来の過去最高を更新した。<br />　加茂水族館では、待望久しい新水族館の建設が予定されている。２０１２年１０月着工で、オープンは２０１４年の予定である。３階建てで、延床面積は３６３６平米。現在の約２倍の規模となる。<br />　総工費は２０数億円。福島水族館１５０億円、新潟水族館１００億円、男鹿水族館７０億円という規模と比べると小粒だが、閉館一歩手前だった水族館からすれば、「自分たちの手で勝ち取った」新館建設である。<br />　そのコンセプトは、「加茂の海に浮かぶ水族館」。直径５ｍの円形水槽を設置したクラゲシアターも新設される。<br />　新水族館はとても楽しみだが、風雪を耐え忍んできた現在の加茂水族館には、なんとも言えない味わいがある。手づくり感満載の現在の加茂水族館にこそ、行っておくべきかもしれない。<br />　村上館長は４５年間の館長生活を、こう振り返る。「長い間、みじめな時が続いた。いつか見ていろと思っていたが、何やってもうまくいかなかった。そんな時に、"クラゲの姿をした神様"が現れて、救ってくれた。何をやっても駄目だったあのドン底で、クラゲだけが"希望の光"を与えてくれた」。<br />　まさに、クラゲは「救世主」であった。しかし、それだけでこの水族館の成功は語れない。そのワンチャンスをものにするだけの、知恵と努力と矜持がこの水族館にはあった。それこそが日本の誇る「現場力」である。<br />　そして、村上館長はさらに「成功のポイント」を冷静に分析する。「私たちがクラゲに命運を賭けた１９９０年代後半から２０００年代前半は、この水族館はまだ民間の経営だった。だから、"経営の自由度"が高かった。それが、この水族館が存続できているもうひとつの理由」。<br />　これはきわめて大切な指摘である。「現場力」は、現場に相応の裁量権が与えられ、それなりの自由度があってこそ生まれるものである。現場の自発性や自律性は、管理からはけっして生まれてこない。<br />　鶴岡市営という「官」の経営となり、以前とは注目度も異なる現在の加茂水族館は、確かに自由気儘な経営というわけにはいかないのだろう。様々なステークホールダ―も存在する。しかし、加茂水族館がこれからも進化を遂げるためには、その「現場力」を活かすための「経営の自由度」はますます不可欠な要素と言える。<br /><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３８話　日産自動車追浜工場</title>
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    <published>2012-04-02T00:09:00Z</published>
    <updated>2012-04-02T00:07:28Z</updated>

    <summary>　今、日産が元気だ。グローバル販売台数は２００９年度の３５０万台から２０１０年度...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　今、日産が元気だ。グローバル販売台数は２００９年度の３５０万台から２０１０年度４２０万台、そして２０１１年度には４７５万台と大きく伸長する見込みだ。２０１１年度の連結売上高は９兆４５００億円、連結営業利益５１００億円、営業利益率は５．４％を計画している。<br />　大震災、超円高、タイの洪水、欧州の債務危機など日本の自動車メーカーを取り巻く環境は、厳しい状態が続いている。実際、トヨタやホンダは大きく利益を減らしている。その中で、日産は堅調な業績を上げている。<br />　特に、グローバル全体での販売は好調で、欧州、中国、北米では２桁成長を達成した。その結果、日産のグローバルシェアは０．５％増の６．１％に上昇している。<br />　そんな日産の国内主力工場のひとつである追浜工場を訪問した。日産の国内工場は５拠点。車両組み立てを行っているのは、追浜、栃木、九州（日産自動車九州株式会社）の３拠点。それ以外は、エンジンを生産している横浜といわきの２工場である。<br />　操業開始は１９６１年。昨年５０周年を迎えた。従業員数２３００名。敷地面積１７１万平米。敷地内に総合研究所やテストコース、専用埠頭も備えている。２００７年に累積生産台数１５００万台を達成した。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C1.jpg"><img alt="38日産追浜1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C1-thumb-300x210-614.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">52周年記念のプレート</font><br /><br /></div><br />　組み立てラインは二つ。＃１ラインではノートやジューク、キューブ、そして話題の電気自動車リーフなどの小型車が生産されている。生産能力は月産約２万台である。<br />　＃２ラインではブルーバード、ティーダなどの中型車が生産されている。こちらの生産能力も月産２万台。別棟の工場では、バンパーなどの部品も生産している。<br />　今回は＃１ラインを見学することができた。日産の工場では「日産生産方式」（NPW : Nissan Production Way）と呼ばれる独自の生産手法がすべての工場で導入されている。これはお客さまからの発注（カスタマーオーダー）に基づいて、注文の順番通りに生産する「同期生産」が最大の特徴である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C2.jpg"><img alt="38日産追浜2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C2-thumb-300x161-616.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="161" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">工場案内の「日産生産方式」の解説</font><br /></div><br /><br />　したがって、ひとつのラインに流れる車種は単一ではない。＃１ラインでも、お客さまの注文に合わせて、異なる車種がランダムに生産される「混流生産」が行われている。<br />　私が興味があったのは、電気自動車リーフの生産である。普通の自動車とはまったく異なる構造を持つ電気自動車は、専用ラインで生産されているのではと勝手に推測していたのだが、実際には＃１ラインで他の車種と混じって生産が行われていた。それを知って、私は日産の生産技術の高さを再認識した。<br />　同じ小型車といっても、電気自動車と普通の自動車ではその構造や取り付ける部品が大きく異なる。電気自動車だけで使用する部品も多い。たとえば、電気自動車には欠かせないバッテリー。どのように装着するのだろうと見ていると、通常の生産ラインの中で助力装置を使いながら、重いバッテリーを実にスムーズに取り付けていた。違和感のない作業手順が確立している。<br />　リーフの生産台数は現在、約１３００台/月程度。電気自動車が主流となり、さらにボリュームが増えれば、専用ラインは考えられるが、現在の規模では普通車との混流生産でなければ経済的に成り立たない。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/i38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C3.jpg"><img alt="i38日産追浜3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/i38%E6%97%A5%E7%94%A3%E8%BF%BD%E6%B5%9C3-thumb-300x210-618.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">展示されている「リーフ」</font><br /></div><br />　口で言うのは容易いが、それを現場で実現するのは簡単なことではない。それを日産は、生産技術と生産現場の知恵で克服している。「日産の復権」はこうしたところにも見てとれる。<br />　同様の工夫が、生産現場の至るところで見られる。たとえば、基幹部品で形成されるコックピットモジュールは、ボディ組み立てのメインラインの外で組み付けられ、その後メインラインに合体される。こうしたライン分業の発想や組み付けのための専用治具の開発、さらには縦横無尽に走る無人搬送車（AGV）の効果的活用など、様々な知恵や創意工夫が工場内で見てとれる。<br />　そして、なにより顕著なのは、工場に対する投資がきちんと行われていることである。生産ラインのみならず、工場の環境面や働く従業員へのケア、さらにはゲストホールの充実など、「モノづくりを大切にする」という経営の姿勢がここかしこに表れている。ゴーン氏が社長となって以来、過去との最も大きな違いはそこにある。<br />　その一方で、工場間の競争も効果的に煽っている。実際、追浜工場の主力車種であったマーチは、２００９年にタイに全面移管された。これは日産社内の「入札制度」に基づいて、決定された。タイに移管することによって、生産原価を３割程度削減することにつながっているという。<br />　「入札制度」は、工場間の競争力を「見える化」することに他ならない。追浜工場は日産の「マザーファクトリー」のひとつではあるが、競争力を高めない限り、タイ、インド、中国、メキシコなどの海外生産拠点に今後も主力車種を奪われかねない。<br />　ドライなやり方ではあるが、マーチの移管が引き金となって、追浜工場の危機感が高まり、競争力強化の動きにつながっていることは否定できない。ドライということは、合理的だということでもある。<br />　単純にコストという面で見れば、日本にモノづくりの現場が存続する可能性は益々小さくなっていく。現場が「コストセンター」という位置付けに甘んじれば、日本に現場は残らない。<br />　日本に現場が残るためには、現場の知恵を最大限に引き出し、コストだけでなく、品質、フレキシビリティ、サービスなど多面的な価値を生み出す「バリューセンター」へと変身することが不可欠である。<br />　日産は経営の危機に瀕していた１９９５年に、座間工場を閉鎖した。追浜工場とほぼ同時期に操業を開始した主力工場のひとつだったが、その３０年の歴史に幕を下ろさざるをえなかった。<br />　それ以来、追浜工場についても何度も閉鎖の"噂"が流れた。今後についても、けっして楽観できるような状況ではないだろう。海外の工場も着実に力をつけている。<br />　しかし、日産がこれからも新たな車種の開発に成功し続け、この工場が競争力を磨くことを怠らなければ、新車種を最初に生産するのは、追浜工場を始めとする日本の工場である可能性は高い。そこに「マザーファクトリー」の意義がある。電気自動車リーフがその好例である。<br />　日本のモノづくりの存亡は、日本企業が他社ではつくれない独自価値の商品を開発し続けることができるかどうかにかかっていると言っても過言ではない。独自価値の商品開発力と現場力が両輪となって、日本のモノづくりは発展する。日産は今、そのお手本を示している。<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３７話　新日本製鐵八幡製鐵所</title>
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    <published>2012-03-28T06:22:54Z</published>
    <updated>2012-03-28T06:33:14Z</updated>

    <summary>　昨年１２月の大分製鐵所訪問に続き、新日本製鐵の主力製鐵所を訪問する機会に恵まれ...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　昨年１２月の大分製鐵所訪問に続き、新日本製鐵の主力製鐵所を訪問する機会に恵まれた。北九州市の八幡製鐵所である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%801.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%801-thumb-300x210-602.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">飛幡門</font><br /></div><br /><br />　ここは言わずと知れた日本における製鉄発祥の地。１９０１年（明治３４年）に官営八幡製鐵所として操業を開始した日本における近代産業の"聖地"である。その歴史は１１０年を超える。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%802.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%802-thumb-300x322-604.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="322" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">明治33年伊藤博文が訪問</font><br /></div><br />　そのピークは新日本製鐵が発足した１９７０年頃。直営人員だけで３万５千人を擁し、関連会社、協力会社を含めると、実に１０万人規模の人々がここで働いていた。現在の直営人員は約３千人と、ピーク時の１０分の１以下である。<br />　八幡製鐵所は戸畑地区と八幡地区の２ヶ所に分かれ、くろがね線という総延長距離１０１ｋｍの専用鉄道で結ばれている。現在の敷地面積は約９８０万平米、東京ドーム２１０個分に相当する。しかし、最盛期はその数倍の規模だったというから驚きだ。<br />　八幡地区の遊休地の一部は、テーマパークである「スペースワールド」として活用されている。その隣接地には、１９０１年に最初の火入れが行われた東田第一高炉が、東田高炉記念広場として開放されている。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%803.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%803-thumb-300x210-606.jpg" class="mt-image-none" height="171" width="247" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%804.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%804-thumb-300x210-608.jpg" class="mt-image-none" height="171" width="246" /></a><br /><br /><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">東田第一高炉史跡広場</font><br /></div><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%805.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%805-thumb-300x210-610.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">スペースワールド</font><br /></div><br />　製鉄所のシンボルである高炉は、現在は戸畑地区にある４００万トン級１基のみ。昭和４７年に建造されたもので、炉内面積は４２５０立米。大分製鐵所の２基の高炉はどちらも５７７５立米。それと比べると、ひと回り小さい。　<br />ピーク時には八幡地区だけでも６基の高炉が並んでいたという。供給量という面で見れば、八幡製鐵所はもはや新日鐵の中核工場ではない。<br />　そこに超円高、原料高、熾烈なグローバル競争の波が、襲いかかる。２０１１年１０~１２月期の鋼材生産量は、約９２万トン。対前年比で約１５％減少し、リーマンショック以降初めて１００万トンの大台を割り込んでいる。<br />　タイの洪水の影響による海外向け自動車用鋼板の落ち込みが大きな要因だが、韓国や中国勢が台頭し、世界的な供給過剰が起きている中で、この歴史ある製鉄所は構造的な問題に直面している。<br />　さらに、新日鐡と住友金属との合併が決まり、統合による効率化追求の一環として、最適生産体制に向けての見直しが進むのは確実である。八幡製鐵所より新しく、規模の大きな製鉄所がいくつもある中、八幡製鐵所の未来は不透明と言わざるをえない。<br />　しかし、それでも私は八幡製鐵所に「生き残り」ではなく、「勝ち残り」を目指してもらいたいと心から願う。なぜなら、八幡クラスの規模の製鉄所が存続できなければ、日本の製鉄所は根こそぎダメになってしまうと思うからである。「体格」ではなく「体質」で勝ち残るとはどういうことなのかというお手本を、八幡製鐵所には示してもらいたい。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%806.jpg"><img alt="37新日鐵八幡製鐵所6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/03/37%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%90%B5%E5%85%AB%E5%B9%A1%E8%A3%BD%E9%90%B5%E6%89%806-thumb-300x286-612.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="228" width="240" /></a><font style="font-size: 0.8em;">現在残る高炉</font><br /></div><br /><br />　さらには、ここには規模や効率性を超越した「マザー・ミル」としてのスピリットが宿っている。バランスシートには表れない「目に見えない資産」を、目先の効率性追求で消してはならない。<br />　「勝ち残り」の方向性は、既に定まっている。八幡製鐵所は「多品種小ロットを究める」製鉄所として、多様な用途向けの製品を供給している。自動車用の薄板、ジュース缶・食缶用のブリキ、新幹線など鉄道用レール（軌条）、変圧器などに使われる電磁鋼板、ビールタンクなどに使われるステンレス鋼板など、「鉄の総合百貨店」を目指している。多様な下流工程を持ち、様々なニーズに対応できる一貫生産、フレキシビリティ、技術力を磨いている。<br />　目先の超円高は、５５％を輸出に依存しているこの製鐵所の収益を大きく圧迫している。輸出向け２４５万トン（平成２２年度）の主な向け先は、東南アジア３８％、中国２３％とアジアが６割強を占めている。しかし、アジア以外にも、中南米１６．４％、北米８．８％、中近東４．５％、大洋州２．５％など世界各地に輸出している。<br />　いずれかの製品や地域に「特化」するのではなく、製品の多様性、向け地の多様性を究めることで、操業度を維持し、安定した経営に結び付けようという狙いがある。製品の多様性、向け地の多様性は、高い技術力や生産のフレキシビリティがなければ、できる戦略ではない。規模と言う面では劣る八幡製鐵所には、現場力という高い組織能力が備わっている。<br />その好例が「軌条」と呼ばれる鉄道用レールである。この超円高にも関わらず、「軌条」は海外向けが伸長し、確実に収益を上げていると言う。並大抵の競争力ではない。<br />　主な輸出先は米国やオーストラリアなど。砂漠などの厳しい環境下でも十二分に耐えうる品質が評価され、レールのメンテナンスコストも軽減できるため、「八幡の軌条」はひとつのブランドとなっている。<br />　こうした「八幡でしかつくれない」ものに徹底的にこだわることこそが、「体質」で勝負するということである。それは口で言うほど簡単なことではないことは重々承知している。しかし、鉄の「コモディティ化」を阻止することができなければ、この製鐵所だけでなく、日本の鉄鋼メーカーは間違いなく総崩れとなる。<br />　「体質」の維持・強化に欠かせないのは、「人づくり」である。八幡製鐵所でも、技能継承が大きな課題となっている。社員の年齢構成を見ると、定年前の５９歳の人たちが２００人近くいる。現場を支える班長クラスは３０歳代と若返っているが、その間をつなぐべき５０歳代前半、４０歳代が"歯抜け"状態となっている。<br />　一番の問題は、現場で何かトラブルが起きた時の「非定常作業」。どんなに若くて、優秀でも、経験や修羅場体験が乏しいため、いざという時に的確な対応ができない恐れがある。<br />そうした世代交代のギャップを埋めるため、退職者の一部に嘱託として残ってもらい、次世代を担う班長教育にさらに力を入れていくと言う。それはとりもなおさず「八幡魂」というスピリットを残す作業でもある。<br />　その一方で、八幡製鐵所では人に関する新しい試みにも、積極的にチャレンジしている。それは現場における女性の採用・活用である。昨年の地元採用者約１００名の内、１１名が女性。今年も約８０名の内、８名が女性である。長い間「男の職場」だと認識されてきた鉄づくりの現場でも、女性を育て、活かす時代に入っている。<br />　歴史と伝統。そして、変化と挑戦。こうした要素が混じり合い、融合しながら、八幡製鐵所は新たな競争力を持つ現場へと進化しようとしている。<br /><br />（追記）<br />　この原稿を書き上げた翌日の３月２７日付の日経新聞で、新日鐵が八幡製鐵所の高炉を改修するという記事が掲載された。約３４０億円を投じて、内容積を従来より１８％拡大し、５０００立米にする。また、安価な石炭や鉄鉱石などの低品位原料を使っても、生産効率が落ちないよう炉の形状を工夫するという。八幡製鐵所の挑戦は続く。<br /><br />　<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３６話　新日本製鐵大分製鐵所</title>
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    <published>2012-01-24T00:57:28Z</published>
    <updated>2012-02-02T09:59:15Z</updated>

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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
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        <![CDATA[　２０１１年から続く超円高によって最も打撃を被っている業界のひとつが鉄鋼業界である。主要顧客である自動車、電機などは日本を"脱出"し、海外での地産地消に思い切って舵を切っている。<br />　日産自動車は小型車「マーチ」の生産をタイに移した。トヨタは「国内３００万台死守」を標榜するが、その一方で最主力車である３代目「プリウス」の中国での生産を開始した。海外生産拡大の流れは止めようがない。<br />　日本の鉄鋼業界の課題は円高だけではない。海外のライバルが急速に力を付け、技術や品質の面でも日本を凌駕しつつある。中でも、韓国のポスコは収益力や時価総額で、既に日本のリーダーである新日本製鐵に差をつけている。中国では、鉄鋼メーカーが乱立し、その再編によって圧倒的な規模を誇る巨大鉄鋼メーカーが生まれてきている。<br />　そうした流れの中で、新日鐵と住友金属工業は合併の決断をした。戦後の鉄鋼業界で見れば、１９７０年の富士製鉄・八幡製鉄の合併による新日鐵の発足、２００２年の川崎製鉄・ＮＫＫの経営統合によるＪＦＥホールディングス設立に次ぐ、３度目の再編劇である。<br />　そうした最中、新日鐵の主力製鉄所のひとつである大分製鐵所を訪問してきた。この製鉄所の創業は１９７２年。今年４０周年を迎える。日本ではそれ以降一貫製鉄所の建設はなく、日本では"最新鋭"の製鉄所である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B51.jpg"><img alt="36　新日本製鐵1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B51-thumb-300x181-593.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="181" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">高炉<br /></font></div><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B52.jpg"><img alt="36　新日本製鐵2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B52-thumb-300x210-592.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="210" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">製鐵所の外観</font><br /></div><br />　この製鉄所が実現した「オール連続鋳造」は当時物理的に不可能とされていた画期的なものであり、その後の世界の製鉄所のベースモデルとなっている。日本の製鉄技術力の高さの象徴でもある。<br />　敷地面積は東京ドーム１５０個分の約７００万平米。従業員数１７００名。１９８０年代までは４０００人近い直営人員を抱えていたが、ここ１０数年で半数以下に減らしてきた。しかし、関連会社、協力会社約３０００名を加えると、いまだに約５０００名を擁する巨大製鉄所である。<br />　高炉は２本。各高炉の内容積は５７７５立米で、長らく世界一の座にあった。しかし、ここでも最近、中国が５７８０立米という高炉を稼働したと報じられている。<br />　粗鋼生産量は最大で約１０００万トン。２００３年以降上昇を続け、２００６年９１０万トン、２００７年９４０万トンを達成したが、２００８年、２００９年は７００万トン台と苦戦が続いている。明らかに「潮目」が変わっている。<br />　大分製鐵所の最大の特徴は、「熱延」という上流工程に特化した工場であるという点である。多くの製鉄所は熱延で生産したホットコイルを、さらに薄く圧延する「冷延」や「めっき」という工程を持っていない。<br />　冷延やめっきといった下工程はより消費地に近いところで行われるようになってきており、上流工程である熱延を集約することによって、競争力のあるホットコイルを供給することが、大分製鐵所の使命である。無論、「熱延については世界最強」という自負を持っている。<br />　この製鐵所には厚板工場と薄板工場の２本のラインが存在する。今回は薄板工場の連続熱延ラインを見学した。月産６１万トンは世界最大。ここで生産された圧延材は冷薄・めっき用（４１％）、建材（２２％）、自動車（１８％）などに使われている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B54.jpg"><img alt="36　新日本製鐵4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B54-thumb-300x159-596.jpg" class="mt-image-none" width="291" height="153" /></a>　<a href="http://gemba-sembonknock.com/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B55.jpg"><img alt="36　新日本製鐵5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B55-thumb-300x159-598.jpg" class="mt-image-none" width="292" height="151" /></a><br /><font style="font-size: 0.8em;">圧延ライン</font><br /></div><br />　厚さ２５０ｍｍのスラブを、最薄１．２ｍｍの薄板にまで加工する熱延ミルは、実にダイナミックだ。ホットコイルの全長全幅にわたって板厚や温度を均一に造り込む圧延技術は、間違いなく世界一級である。<br />　しかし、これだけの「世界一」「世界最大」「世界最強」「世界一級」が揃っていながら、ビジネスとしては非常に苦しい状況が続いている。設備や技術は世界一、世界一級でありながら、それが真の競争力につながっていない。<br />　約５００万トン生産する熱延コイルの約６割は輸出。しかし、輸出のほとんどは収益的に厳しい状況だと言う。しかし、量を確保するためには、収益が苦しくてもボリュームを追わなければならない。あの新日鐵が、今は規模を確保することに、汲々としている。　<br />　現在の為替状況、原料高では、市場が膨らむ東南アジア市場において、韓国・中国勢に太刀打ちできない。やむを得ず、今までは主力ではなかった中近東やアフリカ、南米などに、たとえ赤字でも輸出しなければならない状況に陥っている。<br />　しかし、これが現実である。プライドをかなぐり捨ててでも「量の確保」に走る新日鐵の今の姿は、次のステージでの真の競争力をつけるための「必然」でもある。輸出という熾烈な競争において、コストの面でも、品質の面でも、納期の面でも十分に戦えるだけの競争力を磨かなければ、この製鐵所でさえやがて縮小、消滅してしまう。<br />　新日鐵を代表とする日本の鉄鋼メーカーは、日本の自動車メーカー、とりわけトヨタによって鍛えられてきた。しかし、そうした「Teacher Customer」は、今や日本を離れつつある。地産地消の流れの中で、現地調達比率を高めることが命題となっている自動車メーカーは、たとえ日本の鉄鋼メーカーの材料を使いたくても、現地生産のものでなくては使うことができない。<br />　成長の源である海外市場のどのユーザーが、新日鐵大分製鐵所にとっての新たな「Teacher Customer」となりうるのか？「輸出」と大括りにするのではなく、新日鐡自らがひとつずつのユーザーを真正面から見て、吟味しなければならない時を迎えている。<br />　一方、生産技術という側面で見ても、巨大設備産業、スケールビジネスと言われてきた鉄鋼は、曲がり角を迎えている。神戸製鋼は高炉を使わずに年産５０万トン程度の高純度の鉄を生産し、ＣＯ２排出力も削減する「ＩＴｍｋ３」という新製鉄法の開発に成功し、世界に打って出ようとしている。数千億円の投資が必要で、工期も長い高炉に比べると、新興国や開発途上国での建設に向いていると言われている。<br />　もちろん、大量生産には高炉が適しているし、これまでの技術の蓄積もあり、一気に転換が起こるわけではない。しかし、新しい技術や新しい参入者の登場によって、「ゲームのルール」や事業構造が一気に変わり、これまでの優位性が足かせとなった「成功の復讐」の事例は枚挙にいとまがない。<br />　大分製鐵所ではさらに生産性や品質を上げるべく、様々な取り組みが行われている。こうした現場主導の地道で、愚直な取り組みは、今後も絶対に絶やしてはならない。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B56.jpg"><img alt="36　新日本製鐵6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E9%90%B56-thumb-300x210-600.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="210" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">吾郷所長、新田副所長</font><br /></div><br />　しかし、事業モデルが大きく変化しようとしている今、そうした現場での取り組みだけでは、この「潮目の変化」に対応することは困難である。住金との合併はその「序幕」にすぎない。「鉄は国家なり」を支えてきた新日鐵がどう変身することができるかどうかが、２１世紀の日本企業の行方を暗示することは間違いない。<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３５話　三菱ふそうトラック・バス　川崎製作所</title>
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    <published>2012-01-24T00:16:17Z</published>
    <updated>2012-01-24T00:50:18Z</updated>

    <summary>　川崎市中原区。見上げると、近接する武蔵小杉のタワーマンションや新川崎の高層オフ...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　川崎市中原区。見上げると、近接する武蔵小杉のタワーマンションや新川崎の高層オフィス群が見える。開発が進む首都圏近郊の４３万平米の広大な敷地に、三菱ふそうトラック・バスの川崎製作所はある。社員数は約３５００名。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%861.jpg"><img alt="36 三菱ふそう1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%861-thumb-300x210-580.jpg" class="mt-image-none" width="310" height="215" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%862.jpg"><img alt="36 三菱ふそう2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%862-thumb-300x210-582.jpg" class="mt-image-none" width="304" height="217" /></a><br /><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">工場外観</font><br /></div><br />　設立は１９４１年。三菱重工業東京機器製作所の川崎工作部として大型自動車の生産を開始。７０年の歴史は、日本の商用車の歴史そのものである。「三菱ふそう」は、日本のみならず世界のブランドとなった。<br />　ちなみに、「ふそう」は「扶桑」に由来している。三菱重工業の前身である三菱造船の時代に、大型車事業を開始した時の社内公募で決定されたものである。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%863.jpg"><img alt="36 三菱ふそう3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%863-thumb-300x210-584.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="210" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">三菱トラックの代名詞「キャンター」</font><br /></div><br />　しかし、その歴史は数奇な歴史でもあった。１９７０年、三菱重工業から分離。三菱自動車工業のトラック生産拠点となった。<br />　２０００年、組織的なリコール隠しが発覚。トラックの車輪脱輪による死亡事故が起こり、市場の信頼を一気に失った。まさに、会社存続の危機であった。<br />　２００３年、トラック・バス部門を切り離す形で、三菱ふそうトラック・バスとして独立。ダイムラークライスラー（現ダイムラー）の支配下に入った。　<br />　そして、２００５年にはダイムラーの株主構成比率は８５％となり、連結子会社となった。三菱ふそうは、現在、ドイツの会社であり、ダイムラー流の経営改革が行われている。<br />　さすがに、三菱重工業時代を経験している人はほとんどいなくなったが、２００３年以前の三菱自動車時代を体験している人たちとダイムラー時代しか知らない人たちが混在している。<br />　川崎製作所の最大の特徴は、２本の組み立て生産ラインで中大型から小型までどんなトラックでも生産できるフレキシビリティにある。首都圏近郊としては広大なスペースだが、商用車の工場としてはけっして広くはない。そのスペースの制約の中で、大型トラックやダンプ、防衛省向けの特殊車両から量産車種であるキャンターまで多種多様な商用車を生産する。生産ラインの人員構成は社員約７割、派遣約３割である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%864.jpg"><img alt="36 三菱ふそう4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%864-thumb-300x283-586.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="283" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">組立てライン<br /></font></div><br />　国内向けには「ふそう」ブランド、海外向けには「三菱」ブランドの商用車が組み立てられている。ダイムラー流のQuality Check Gateが生産ラインにも設けられている。<br />　中大型ラインは約２２０ｍ。１時間に約１０台生産。月に約１８００台を生産する。車種数は約５００。取り付けられるオプションは一品一様である。<br />　小型ラインは１時間に約１３台生産。以前は２０台以上を生産していた時もあったが、品質問題以降、スピードを落としてでも品質のつくり込みに力を入れている。<br />　生産ラインの最終工程には、２０１０年８月に防錆ライン、検査・手直しラインが増設され、一貫生産が完結した。増設されたこの建屋には空調が完備され、騒音対策も施されている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%865.jpg"><img alt="36 三菱ふそう5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%865-thumb-300x289-588.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" width="300" height="289" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">検査ライン</font><br /></div><br />　かつては三菱ふそうトラックの中枢であった川崎製作所だが、今ではダイムラーのグローバル生産プラットフォームの一拠点という位置付けである。国内向けには完成車を納入しているが、主要部品も生産しているこの製作所は、東南アジアを中心とするノックダウン（Ｋ/D）工場に部品を供給する役割が増している。<br />　これだけの超円高が続くと、完成車の輸出は困難である。逆に、キャンターなどはインドネシアからの逆輸入が始まっている。中期的に見れば、川崎製作所も生産性、品質をより一層高め、主要部材の供給源としての競争力を高めていかざるをえない。<br />　全世界で部品の共通化を進めているダイムラーは、世界最適生産の実現を進めてきた。個々の工場での部分最適ではなく、グローバルベースでの全体最適という視点は、個々の工場の自立性が強い日本のモノづくり企業では実現するのは容易ではない。<br />　実際、川崎製作所で組み立てる商用車用のエンジンの６?７割は輸入である。大型エンジンはドイツ、小型エンジンはイタリアが供給している。コスト低減という意味では、徹底的に規模のメリットを追求するというのは、合理性の国・ドイツでは理にかなっている。<br />　しかしその一方で、「グローバル」という言葉も注意が必要である。内部論理に照らせば、グローバルという全体最適は大きな意味があっても、市場の論理、顧客の論理で見れば、それは顧客軽視につながりかねない。<br />　実際、三菱ふそうでも品質にうるさい日本の顧客から、共通部品の採用拡大によって、これまでにはなかった問題が浮かび上がっていると言う。たとえば、海外では大きな問題にならない「エンジンオイルの漏れ」が、日本ではクレームになる。同じ部品を使っていながら、ある国では問題になり、ある国では問題にならない。<br />　市場の成熟度、顧客の要求水準の違いと、共通化という内部的合理性をどのように共存させるかというチャレンジは、一筋縄ではいかない。三菱ふそうでも価値観の違うドイツ人を説得するのは大変だと言う。「いくらコストは下がっても、売れなくては意味がない」と激論が繰り広げられる。しかし、これはグローバル化における「健全なプロセス」でもある。<br />　一方、ダイムラーの傘下に入り、「成程！」と思わせることも多いと言う。日本人が「走りながら考える」のに対し、ドイツ人は事前検討を慎重に行う。とにかく頭を使い、色々な角度から多面的に検討し、一切妥協しない。<br />　そして、ひとたび決断すると、思い切って投資する。たとえば、先に触れた工場ラインの増設なども、その必要性を認識すると思い切って投資する。また、開発部門に対する金の掛け方は、日本人の目から見ると半端ではないと言う。<br />　同社の現在の取締役は７名。日本人は会長、生産本部長、国内販売本部長の３名である。<br />　代表取締役社長/ＣＥＯであるアルバート・キルヒマン氏は３年前に就任した。「My Share, Our Future」を掲げる「FUSO2015」を打ち出し、２０１０年８月にキックオフした。「みんなでやるんだ。チームで取り組むんだ」をアピールし、社内の雰囲気も変わってきていると言う。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/i36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%866.jpg"><img alt="i36 三菱ふそう6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/i36%20%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%81%B5%E3%81%9D%E3%81%866-thumb-300x428-590.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" width="197" height="282" /></a></div><div align="center"><font style="font-size: 0.8em;">「FUSO2015」のポスター</font><br /></div><br />　リコール問題を引き起こした約２０年前、所内は荒れていたと言う。現場は整理整頓もされず、汚ない状態が放置されたまま。ライン内の品質も低く、手直しに追われていた。当然、そこで働く人たちの心も荒んでいた。<br />　お話を伺った阿部能尚品質保証本部長は、「キルヒマンさんは"ありがとう"を必ず言ってくれる。激論を交わした後でも、"Thank you, Abe-san!"という言葉が必ずついてくる。」と教えてくれた。言語、文化、風土の違いは様々だが、人を動かすマネージメントの要諦は、グローバル共通である。<br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３４話　新日鉄エンジニアリング　北九州技術センターＥ館</title>
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    <published>2012-01-15T06:14:44Z</published>
    <updated>2012-01-16T01:09:27Z</updated>

    <summary>　北九州にある最先端のエコ・ビルディングを見学する機会に恵まれた。新日鉄エンジニ...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
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        <![CDATA[<p align="left">　北九州にある最先端のエコ・ビルディングを見学する機会に恵まれた。新日鉄エンジニアリングの北九州技術センターＥ館である。</p>
<p align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B01.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="34　新日鉄エンジニアリング1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B01-thumb-300x210-553.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">E館の外観</font></p>
<p align="center">&nbsp;</p>
<p align="left">　同社で依頼された講演を行うために出向いたのだが、鉄鋼関連の大手エンジニアリング会社というイメージしかなかった同社の最先端のグリーンエンジニアリング力に目を見張った。<br />　言うまでもなく、同社は製鉄プラントを中心にエネルギー、環境などのエンジニアリングソリューションを提供する新日鉄の中核グループ企業。連結売上高約２５００億円（２０１０年度）、従業員数は単独１２００人、連結３６００人の技術者集団である。<br />　そのひとつの柱が、鉄を応用した建築・鋼構造事業だ。鉄・鋼のプロである同社は、オフィスビルや商業施設、物流施設などのエンジニアリングを手掛けている。航空機の格納庫や超高層ビルやタワーなどにも、同社の技術が活かされている。<br />　その同社が自社ビルの建て直しに際し、建物自体の低炭素化、省エネ化を実現すべく取り組んだのが、この北九州技術センターＥ館である。最先端の技術の粋を集めたこの建物は、同社のショールーム機能も果たしており、多くの人々が見学に訪れている。<br />　北九州市は「環境モデル都市」を宣言し、最先端の環境技術を駆使したエコタウンの実証研究エリアでもある。新日鉄エンジニアリングはその参画企業のひとつでもある。<br />　地上５階、延べ床面積１０５００平米、収容人員約８００名。解体準備工事に４ヶ月、本体工事に１１ヶ月を要し、２０１１年３月に竣工した。<br />　日本の建物であるから、耐震性能にこだわっているのは当然である。当社の独自技術であるアンボンドプレースなどの制震・制振に優れた、合理的で経済的な構造を採用している。<br />　外から見た建物の外観には、何の驚きもない。すっきりしたデザインだが、高さも５階建てで、取り立ててインパクトがあるわけではない。<br />　しかし、中に入った途端、その認識は一変する。とにかく明るく、解放的なのだ。光に溢れ、オフィス内を流れる空気が軽やかである。"お硬い"鉄鋼メーカーのエンジニアリング会社のオフィスとは思えない。</p>
<p align="left"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B02.jpg"><img style="WIDTH: 261px; HEIGHT: 387px" class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B02-thumb-300x428-559.jpg" width="300" height="428" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B03.jpg"><img style="WIDTH: 265px; HEIGHT: 384px" class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B03-thumb-300x428-557.jpg" width="300" height="428" /></a></p>
<p align="left">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<font style="FONT-SIZE: 0.64em">明るい吹抜空間</font></p>
<p>その理由は建物の中央部にしつらえられた巨大な吹抜空間である。吹抜部分は５階建てのさらに上に設置された"温室"のようなスペースとつながっている。そのスペースは３６０度ガラス張りで、自然光を取り込み、１階部分まで優しい光が届く。<br />　太陽光追尾型集光装置が設置され、太陽の後を追うように光を取り込む。オフィスの照明器具には昼光センサーが設置され、自然光の明暗を感知して、明るさをコントロールする。</p>
<p><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B04.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B04-thumb-300x210-561.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B05.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B05-thumb-300x210-563.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em">音室スペース</font></p>
<p>　この温室スペースの特徴は、"光"だけではない。３６０度取り付けられた給気口、排気窓は室内外の温湿度センサー、屋上降雨計・風速計と連動し、自動的に開け閉めをコントロールする。"光"と共に、"風"を活かす自然換気システムなのだ。</p>
<p><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B06.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B06-thumb-300x210-565.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B07.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B07-thumb-300x210-567.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em">自動的に開閉する窓</font></p>
<p align="center">&nbsp;</p>
<p align="left">　さらに、温室スペースには多結晶型の太陽光パネルが設置されている。屋上に設置されている高効率タイプの単結晶パネルなどと併せて、約８０ｋｗの太陽光発電を確保している。</p>
<p><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B09.jpg"><img style="WIDTH: 294px; HEIGHT: 205px" class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング9.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B09-thumb-300x210-571.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B08.jpg"><img style="WIDTH: 264px; HEIGHT: 310px" class="mt-image-none" alt="34　新日鉄エンジニアリング8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B08-thumb-300x428-573.jpg" width="300" height="428" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em">太陽光パネル</font></p>
<p align="left">&nbsp;</p>
<p align="left">　モダンなビルには数多く見られる吹抜であるが、単なる意匠ではなく、光や風を制御し、発電まで賄うという多機能・高性能の吹抜は、グリーンエンジニアリングの真骨頂である。<br />　それ以外にも、通年温度が安定している地盤を熱源とした地中熱ヒートポンプを採用したり、温湿度、風量、ＣＯ２濃度などを把握、分析するＢＥＭＳ（Building and Energy Management System）や省エネ見える化システムをド入するなど、省エネを管理するシステムやツールにも工夫を凝らしている。</p>
<p align="left"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B010.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="34　新日鉄エンジニアリング10.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B010-thumb-300x210-575.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em">省エネ見える化システム</font></p>
<p align="left">&nbsp;</p>
<p align="left">　１階エントランスホールのベンチには間接照明が設置され、省エネ達成率が低くなるにつれ、緑‐黄色‐オレンジに変わる。省エネ意識を視覚的、感覚的に伝達するユニークな仕掛けだ。</p>
<p align="left"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B011.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="34　新日鉄エンジニアリング11.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E6%96%B0%E6%97%A5%E9%89%84%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B011-thumb-300x210-577.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em">i色が変わるベンチ</font></p>
<p align="left">&nbsp;</p>
<p align="left">　こうした多彩な技術と仕掛けによって、ＣＯ２排出量は年間ベースに換算すると、約２３０トン削減という実績を上げている。これは同規模のビルと比べ、約３５％減という大きな効果である。また、使用電力量は２０１１年７月に想定ベースラインの２５％減、８月には３０％減という実績を上げており、大きな省エネ効果も実証されている。<br />　建物の低炭素化、省エネ化のモデルとしてＥ館の価値は高い。多くの見学者が訪れているという事実が、エコタウンやグリーンテクノロジーへの関心の高さを窺わせる。<br />　問題はこうした最先端技術をいかに日本独自のビジネスモデルへと結実させるかである。「技術力は高いが、商売下手」という日本企業の悪しき評判を覆さなければ、エコで世界をリードすることはできない。<br />　その意味でも、新日鉄エンジニアリングのようなエンジニアリング会社がエコビジネスを牽引することが望ましい。個々の低炭素化技術、省エネ技術をバラ売り、単品売りするのではなく、「パッケージ」として打ち出すことが必要となる。それによって、日本独自の総合力が活きてくるはずだ。<br />　天然資源に恵まれない日本にとって、技術はこれまでも、そしてこれからも欠かすことのできない中核要素である。しかし、技術を活かすといっても、モノづくりの領域では新興国が着実に力を付け、日本を追い上げ、追い越そうとしている。<br />　２１世紀に日本が独自技術を活かすのは、エンジニアリングという基盤ビジネスを柱とすべきである。Ｅ館という洗練されたビルには、その大きな可能性と課題が詰まっている。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        
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    <title>第３３話　ダイハツ協友会ＴＱＭ大会</title>
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    <published>2012-01-15T06:01:43Z</published>
    <updated>2012-01-16T01:08:57Z</updated>

    <summary>　第３のエコカーとして人気を集める「ミライース」。軽自動車初のリッター３０ｋｍと...</summary>
    <author>
        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[<p>　第３のエコカーとして人気を集める「ミライース」。軽自動車初のリッター３０ｋｍという低燃費を実現しながら、ベース車８０万円以下という低価格も実現。「究極の軽自動車」と言われるほどの人気車を開発したのが、ダイハツ工業だ。<br />　そのダイハツのグループ会社、協力会社で組織するダイハツ協友会のＴＱＭ大会に参加する機会を得た。今回が第３１回。３０年以上に亘り、地道な品質改善の取り組みが継続されている。</p>
<p><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%841.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%841-thumb-300x210-538.jpg" width="300" height="210" /></a>　<a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%842.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%842-thumb-300x210-540.jpg" width="300" height="210" /></a></p>
<p align="center">　<font style="FONT-SIZE: 0.64em">プレゼンの様子</font></p>
<p align="left">&nbsp;　ＴＱＭ（Total Quality Management：総合的品質管理）は日本のモノづくりを支えてきた活動である。世界一と言われる品質を実現するための、主導的な役割を担ってきた。<br />　１９６０年代にＱＣ（Quality Control）が導入され、製造現場を中心にＱＣサークルと呼ばれる小集団活動が熱心に行われた。ＱＣはやがて組織全体で総合的に捉えるＴＱＣ（Total Quality Control）へと進化し、さらにＴＱＭへとレベルアップしていった。過去５０年に亘り、日本のモノづくりを底辺で支えるきわめて重要な活動であり、仕組みであった。<br />　しかし、今、多くのモノづくりの現場で、ＴＱＭは勢いを失い、かつての盛り上がりはない。現場にはやらされ感が蔓延し、「古臭い」とさえ思われている。確かに、ＴＱＭという手法自体は陳腐化し、マンネリ化は否定できない面もある。<br />　だが、現実を見れば、品質問題がなくなったわけではない。むしろ、多くのモノづくり企業は新たな次元の品質問題に直面し、その対応に追われている。世界一の品質を誇った日本を代表する企業でさえ、深刻な品質問題を起こし、「品質の日本」というイメージが崩壊しつつある。<br />　その中身をつぶさに見ると、新たな高度技術に挑戦するからこそ生まれる品質問題という様相ももちろんあるが、現場の品質に対する「感度」「熱意」が劣化している面も否定できない。<br />　ＴＱＭという手法自体は陳腐化しても、その対象である品質はさらなるレベルアップが求められている。ＴＱＭを復活させ、新たなステージへと引き上げなければ、日本のモノづくりに未来はない。<br />　そうした流れの中で、ダイハツ、そしてその協力企業は、一丸となってＴＱＭを継続し、２１世紀に通用する品質のつくり込みを愚直に行っている。協友会の構成メンバーは約２５０社。その内、約３０社の活動が予備審査で審議され、最終的に４社のＴＱＭ活動事例が今回の大会で発表された。会場には４社のブースが設置され、それぞれの取り組みが紹介されていた。<br />　１社目はアイシン精機衣浦工場。２００６年稼働の比較的新しい工場であり、ドアハンドル、サンルーフなどを生産している。<br />この工場が取り組んだテーマは、「外観品質の向上」。全体の納入不良件数は減っているものの、外観不良品が減っていないことに着目。ホコリを徹底的に排除する「つくらない活動」と、新たな検査法の導入による「流さない活動」によって、外観不良を３分の１に減少させている。</p>
<p align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%846.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%846-thumb-300x210-548.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%844.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%844-thumb-300x210-544.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%843.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%843-thumb-300x210-542.jpg" width="300" height="210" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%845.jpg"><img class="mt-image-none" alt="34　ダイハツ5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%845-thumb-300x210-546.jpg" width="300" height="210" /></a><br /><font style="FONT-SIZE: 0.8em">4社のブース</font></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em"></font>&nbsp;</p>
<p align="left">　２社目は榎木製作所。ダイハツをメインに、プレス板金部品を納入している。この会社では、生産の全行程を対象に、品質に関連する評価項目を設定し、問題点や弱点を浮き彫りにする活動に取り組んだ。評価項目は５Ｓ、作業標準、設備条件、設備要件の４分野で、現状を定量評価し、弱点を認識した上で、改善に取り組んだ。<br />　評価に基づき、Ａ級（９０~１００点）、１級（８０~９０点）、２級（６０~８０点）にランク付けする。「当たり前のことが、当たり前にできているか？」を点数評価し、全行程を「ハイ・クォリティー・ライン」にするという取り組みである。この取り組みによって、６５点だった工程が８２点になるなど、すべての工程とも確実にレベルが上がっていると言う。<br />　３社目は日本発条ばね生産本部。世界一のバネメーカーとして知られる同社では、工程内における潜在不良の撲滅に取り組んだ。<br />客先不良を「ゴキブリの親」、社内不良を「ゴキブリの子」、工程内不良を「ゴキブリの卵」と位置付け、工程内不良を撲滅するための独自の問題解決シナリオを開発。特に、海外工場での取り組みに力を入れ、塗装薄という特定の不良を７５％削減することに成功した。<br />　そして、最後は富士通テン中津川工場。自動車用電子機器を生産するこの工場では、工程内不良を撲滅するために、「１件招集活動」に取り組んだ。工程内で実不良が"１件"発生したら、直ちに関連部門を招集し、対策を協議し、手を打つという取り組みである。<br />　これまでは、担当者が問題を抱え込んでしまい、対応が後手後手になっていた。そうした事態をなくすために、工程内不良が"１件"でも発生したら、ラインを止め、関係者を直ちに集め、４時間以内での解決を目指す。<br />　多い日には４~５回、「１件招集」が掛かることもあり、夜中に発生することもある。しかし、こうした愚直な取り組みによって、客先納入不良率は対前年比８０％減少した。</p><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%847.jpg">
</a><p align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%847.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="34　ダイハツ7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/34%E3%80%80%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%847-thumb-300x210-550.jpg" width="300" height="210" /></a><font style="FONT-SIZE: 0.64em">発表者たちとの記念写真</font></p>
<p align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.64em"></font>&nbsp;</p>
<p>　それぞれの取り組みは、一見地味で、新奇性には乏しいと感じるかもしれない。しかし、品質の確保にマジックはない。当り前のことを、当たり前に実行するという現場の愚直な取り組みなくして、品質を担保することはできない。<br />　モノづくりの現場は、環境や競争の変化に伴い、多くの制約を抱えた上で品質向上に取り組まなくてはならない。新技術の導入、スピード感の上昇、工程内在庫の圧縮、そして非正規社員の増加・・・。こうした要素は、放っておいたら、間違いなく品質の劣化につながる。<br />　日本の現場は数々の「制約」を乗り越えることによって、強くなってきた。「制約」こそが現場力を鍛える重要な刺激材であった。<br />　超円高という未曽有の事態は、日本にモノづくりが残るかどうかのきわめて重大な試練を与えている。現場力のないモノづくりの現場は、日本にはもう残ることはできない。日本にモノづくりの現場が残るためには、現場力という日本独自の競争力をさらに磨き続けるしかない。<br />　ＴＱＭは単に品質向上を目指す取り組みではない。現場が自律的に知恵や創意工夫を生み出す現場力という日本企業根幹の競争力を、磨く活動である。こうした活動の意義を、私たちはもう一度再認識しなくてはならない。<br />　<br /></p>]]>
        
    </content>
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    <title>第３２話　陸前高田コンテナ商店街</title>
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    <published>2012-01-04T02:49:25Z</published>
    <updated>2012-01-09T03:09:38Z</updated>

    <summary>　東日本大震災の被災地の状況は、第２１話で南三陸町についてレポートした。今回は岩...</summary>
    <author>
        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　東日本大震災の被災地の状況は、第２１話で南三陸町についてレポートした。今回は岩手県の陸前高田市を訪問してきた。ご縁があって、地元の商店経営者の方々がコンテナを使用した「コンテナ商店街」を建てようという計画を知り、ローランド・ベルガーの世界中の仲間たちから集まった義援金を役立ててもらうことになった。<br />　向かったのは、２０１１年１１月１５日。まず、陸前高田の市街地を車で回った。南三陸町と同様、町はことごとく破壊され、津波と共に消え去っていた。　<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%971.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%971-thumb-300x210-512.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">市役所、スーパーMAIYAの無残な姿</font><br /></div><br />　震災前の人口は、約２万４千人。リアス式海岸の美しい町だった。しかし、市全体の約半数にあたる約３４００世帯の家屋が全壊し、死者・行方不明者の数は２０００人にのぼった。<br />　海岸沿いに２ｋｍにわたって植えられていた７万本の松は、三陸有数の景勝地として有名だったが、そのもともとの起源は１６６７年（寛文７年）に地元も豪商が防潮林として約６千本を植えたものだった。しかし、その松林でさえ今回の津波を防ぐことはできなかった。<br />　奇跡的に残った高さ３０メートル、樹齢２５０年の松は、「奇跡の一本松」として知られるようになったが、塩害の影響で保存は困難になってしまった。被災者の最後の希望まで、大津波は奪っていってしまった。<br />　大震災から８ヶ月以上が経過し、旧市街地は一面の野っ原となっていた。瓦礫は撤去されたが、その代わりにそこかしこにうず高く積まれた瓦礫の山ができ上がっている。高さは５メートル以上ある。<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%972.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%972-thumb-300x210-514.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">瓦礫の山</font><br /></div><br />　野っ原には雑草が生い茂り、すすきが風に揺れている。海に近いエリアは８０ｃｍ以上も地盤が沈下し、水没してしまっている。地盤沈下はまだ続いていて、復興どころの話ではない。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%974.jpg"><img class="mt-image-none" alt="32陸前高田コンテナ商店街4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%974-thumb-300x210-516.jpg" width="247" height="171" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%973.jpg"><img class="mt-image-none" alt="32陸前高田コンテナ商店街3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%973-thumb-300x210-518.jpg" width="245" height="170" /></a><br />　　　　　　　<font style="FONT-SIZE: 0.8em">被災した小学校　　　　　　　　　　　　　地盤沈下によりできた水溜り</font><br /><br /><br />　しかし、このまま立ち止まっているわけにはいかない。自元の若手経営者たちが立ち上がり、２０１１年９月に「なつかしい未来創造株式会社」というコミュニティ・カンパニーを立ち上げた。<br />　そのメインの事業が、コンテナを商店として活用するコンテナ商店街である。リーダーのひとりである橋勝商店の橋詰真司社長、橋詰智早子専務たちからお話を伺ったが、その思いは「"にぎわい地"をつくりたい！」という一点にある。<br />　単に買いものの不便さを解消するというだけでなく、みんなが自然と集まり、明るい声や笑い声が聞こえ、子供たちが元気に走り回っているような、人でにぎわう場所をつくることが、コンテナ商店街の最大の使命である。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%9710.jpg"><img class="mt-image-none" alt="32陸前高田コンテナ商店街10.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%9710-thumb-300x212-533.jpg" width="247" height="174" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%9711.jpg"><img class="mt-image-none" alt="32陸前高田コンテナ商店街11.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%9711-thumb-300x211-531.jpg" width="244" height="171" /></a><br /><br />
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">コンテナ商店街の初期スケッチ</font><br /></div><br />　仮設住宅では鬱病に罹る人が増え、孤独死や自殺者も出ている。大震災の余波は今でも地元の人々を苦しめている。それを乗り越えるためには、人のぬくもりを感じられる場を早期につくらなければならないという切実な思いが、このプロジェクトの背景にある。<br />　第１期の計画では、約１６００平米の敷地に、約２０基のコンテナを設置し、商店や飲食店を誘致する。フードコートや公園なども併設する。将来的には、第２期用としてより広いスペースが用意されている。コンテナ商店街から町興しにつなげたいという思いをひしひしと感じる。<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%975.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%975-thumb-300x210-520.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">コンテナ商店街の予定スペース</font><br /></div><br />　第１回目の訪問から約１ヶ月半が経過し、クリスマス直前の１２月２３日に再度訪問した。ローランド・ベルガーが寄贈した８基のコンテナは現地に到着していた。<br />　しかし、当初１１月末に予定されていた開業は、ずれ込んでいた。８基のコンテナも組み立てられずに、敷地内に置かれたままだ。<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%976.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%976-thumb-300x210-522.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">到着した8基のコンテナ</font><br /></div><br />　橋詰さんに聞くと、インフラの整備に予想以上に手間取っているという。荒地だった土地の整地、電気工事に時間がかかり、今は水道工事が難問だと言う。　<br />もともと敷地内には水道管が埋設されておらず、近所の個人向けの配管を利用させてもらうしかない。しかし、そこには今は人が住んでおらず、その該当者を探し、交渉するのも一苦労。その後、役所の認可をもらわなければならない。<br />　さらには、被災地では建築・土木の人手が足らず、水道工事の業者を見つけられない。隣町まで出向いて、業者を探していると言う。こんな状況では、何をするにしても、平常時の２倍も３倍も時間を要してしまう。これが被災地の復興の現実である。<br />　人手不足はコンテナ商店街のみならず、被災地復興の大きな足かせとなっている。宮城県ではハローワークを通じた建設業の求人数は２０１１年１０月時点で６０００人と、震災前の４倍の水準に達した。しかし、土木・建築の仕事を望む求職者は、求人数の４分の１にすぎない。宮城県が入札を実施した工事の２割が、応札企業が現れず宙に浮いていると言う。<br />それでも、橋詰さんは２０１２年１月中にはなんとしてでもオープンさせたいと意気込む。「早く形にして見せることが何よりも大切だから」と、東奔西走している。<br />　コンテナ商店街の隣接地には、中小企業基盤整備機構が支援する仮設商店が、２０１２年６月を目途に８棟建つことが決まった。また、コンテナ商店街のスペースでは、橋詰さんが実行委員長を務めている「けせん朝市」が、既に毎週末開かれている。地元のおばあちゃんたちが野菜や果物などを販売する、２００年続く陸前高田の名物のひとつである。<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%977.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%977-thumb-300x210-524.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">コンテナ商店街のスペースで行なわれている朝市</font><br /></div><br />　コンテナ商店街に朝市、そして中小機構の仮設商店と、人が集まり、楽しめるだけの魅力的な商業集積の計画が、ほぼ固まりつつある。いよいよ「プラン」を「実行」に結びつけるステージに入っている。<br />　しかし、先ほど述べた「人手不足」のように、被災地ならではの障害がこれからも発生するだろう。けっして一筋縄のように、スムーズには事は運ばない。<br />　だからこそ、私たちは継続的な応援をする必要がある。被災地の人々は自分たちの足で立ち上がろうとしている。しかし、自元の人たちの熱意と努力だけでは、突破できないハードルも間違いなく出てくる。だからこそ、私たちひとり一人が、なにができるかを考え、できることをこれからもしていかなければならない。<br />　陸前高田から盛岡に抜ける道の途中に、小さな保育園（横田保育園）があった。その木張りの外壁には横断幕が掲げられていた。たくさんの園児たちの手形ともに、そこには「げんきになります。心からありがとう」と書かれてあった。<br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%978.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="32陸前高田コンテナ商店街8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/32%E9%99%B8%E5%89%8D%E9%AB%98%E7%94%B0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E5%95%86%E5%BA%97%E8%A1%978-thumb-300x210-526.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">横田保育園の横断幕</font><br /></div><br />　被災地に対する継続的なサポート。それは同じ島国に住む同胞としての責務である。<br /><br />
<div><br /></div>
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    <title>第３１話　ヤマト運輸　神奈川物流ターミナル</title>
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    <published>2012-01-04T02:25:56Z</published>
    <updated>2012-01-10T00:02:13Z</updated>

    <summary>　第３０話ではヤマト運輸の宅急便の顧客接点である「センター」の現場力についてレポ...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
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        <![CDATA[　第３０話ではヤマト運輸の宅急便の顧客接点である「センター」の現場力についてレポートした。全国各地に約６０００ある「センター」とつながり、ハブ・アンド・スポークのハブの役割を担っているのが、「ターミナル」である。<br />　今回は横浜市鶴見区にある神奈川物流ターミナルを訪ねてきた。ヤマト運輸は全国に７１箇所の物流ターミナルも持つが、ここは２００７年４月にオープンした、陸・海・空すべてを網羅する最先端複合ターミナルである。１日のべ約千人が勤務する、巨大な「眠らない拠点」である。<br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB1.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB1-thumb-300x210-489.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">ターミナル全景</font><br /></div><br />　１８７００坪の敷地に、宅急便の全国配送拠点となる「ターミナル棟」と、横浜港などの港湾貨物の入出庫作業、ロジスティクス業務を担う「物流棟」が併設されている。ヤマト運輸と言えば宅急便というイメージが一般的には強いが、ここに来るとヤマト運輸が国内宅急便のみならず、グローバル物流企業を着々と目指していることが分かる。鶴見は横浜、羽田へのアクセスもよく、ターミナルとしては最適な立地である。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB2-thumb-300x210-491.jpg"><img class="mt-image-none" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル2.jpgのサムネール画像" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB2-thumb-300x210-491-thumb-300x210-492.jpg" width="246" height="171" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB3-thumb-300x210-493.jpg"><img class="mt-image-none" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル3.jpgのサムネール画像" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB3-thumb-300x210-493-thumb-300x210-494.jpg" width="247" height="174" /></a>　　　　　　　　　　　　　　　　　　<font style="FONT-SIZE: 0.8em">オートピックファクトリー</font><br /><br />　５階建ての物流棟では、最新鋭の設備が導入され、様々な物流関連業務が行われている。３階の自動倉庫を完備した「オートピックファクトリー」では、ピッキング、検品、梱包、発送業務が３６５日、２４時間対応で行われている。通販会社などの発送業務を１日に約５千件さばいている。　　<br />　個人用宅急便では、ヤマト運輸は絶対的な強みを持つが、業務用であるＢ２Ｂの領域では、ライバルである佐川急便が強い。そこでの巻き返しを計るためには、こうした設備への投資は欠かせない。<br /><br />
<div align="center"><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB4.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB4-thumb-300x210-495.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
</div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">メール便専用の仕分けライン</font><br /></div><br />　２階にはクール宅急便専用の仕分けスペースが設けられている。ここが実に広い。「コールドボックス」というクール専用のボックスが所狭しと置かれている。ヤマト運輸の"発明"であるクール宅急便の年間取扱い個数は、１億７千万個（２０１０年度）。宅急便全体の１２％以上を占め、この１０年で７０％の伸びを示している。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB5.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB5-thumb-300x210-497.jpg" width="300" height="210" /></a></div><div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">クール宅急便専用スペース</font><br /></div>　<br />　１階には、メール便専用仕分けラインが設置されている。自動仕分け機によって、１時間に５５０００冊の仕分けが可能だ。<br /><br />
<div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB6.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB6-thumb-300x210-499.jpg" width="300" height="210" /></a></div>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">積み込みを待つボックス</font><br /></div><br />　そして、１階のメインスペースには、行き先別に仕分けされた多数の「ボックス」がトラックへの積み込みを待っている。「ボックス」は宅急便オペレーションにとってとても重要なツールであり、１本の「ボックス」にどれだけの荷物を積み込めるかは、現場の腕の見せ所だと言う。そして、「ボックス」そのものも現場が使いやすいように、進化を遂げている。<br /><br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB7-thumb-300x428-503.jpg"><img class="mt-image-none" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル7.jpgのサムネール画像" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB7-thumb-300x428-503-thumb-300x428-504.jpg" width="195" height="276" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB8-thumb-300x210-507.jpg"><img class="mt-image-none" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル8.jpgのサムネール画像" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB8-thumb-300x210-507-thumb-300x210-508.jpg" width="298" height="208" /></a><br /><font style="FONT-SIZE: 0.8em">荷物が隙間無く積み込まれている　　　　　　　　折りたたまれたボックス<br /></font><br />　物流業は労働集約型産業であると同時に、巨額の投資を伴う設備型、装置型産業でもある。きめ細かさ、現場の知恵というヤマト運輸独自の遠心力の強みを活かすためにも、求心力としての「ハブ」に今まで以上の投資が不可欠である。<br />　現在、ヤマトホールディングスは国際線の拡張が進んでいる羽田に、１４００億円を投じて、神奈川物流ターミナルを超える規模のターミナルの新設（羽田クロノゲート）を計画している。　その敷地面積は、神奈川物流ターミナルを超える約３万坪。アジアと日本をひとつの経済圏として捉えた「結節点」の役割を担うと期待されている。<br />　その背景には、国内宅急便市場の飽和がある。２０１０年度の宅急便取扱い個数は、１３億４千万個。１２億６千万個だった２００９年度と比べると伸びてはいるものの、徐々に頭打ちの傾向にある。シェアも４０％を超えた。<br />　さらに深刻なのは、宅急便の単価の下落である。宅急便の単価は徐々に低下傾向にあり、２００１年には７３２円だったのが、この１０年で６０９円にまで下がっている。国内の宅急便ビジネスだけに依存していたのでは、持続的な成長を実現するのは困難である。<br />　ヤマトは創業１００周年（２０１９年）時に目指すべき姿として、「アジアＮｏ．１の流通・生活支援ソリューションプロバイダー」を打ち出している。「DAN-TOTSU経営計画２０１９」では、１００周年に事業数を１００に拡大すると共に、国内宅急便シェア５０％超、ノンデリバリー営業利益構成比５０％超、海外売上比率２０％超など、「大いなる野望」を掲げている。<br />　そして、その途上にある２０１３年度には、連結営業収益１兆４４００億円（２０１０年度は１兆２２８０億円）、連結営業利益８８０億円（同６４０億円）、宅急便取扱い個数１６億８千万個（同１３億４千万個）を目指している。１６億８千万個の内、１億２千万個は海外である。ヤマトの「戦う土俵」は、明らかに「日本とつながったアジア」である。<br />　これを実現させるためには、大型集中投資は避けて通れない。「羽田クロノゲート」はその最優先投資である。<br />　しかし、ヤマトの野望がどんなに膨らもうと、ヤマトのコアコンピタンスが「ラストワンマイルネットワーク」であることはこれからも変わらない。良質な「ラストワンマイル」をカバーすることができるのが、ヤマトの差別化のポイントであり、そのためには現場力こそがこれからも最大の優位性の源泉である。<br />　海外での「ラストワンマイルネットワーク」の構築は、けっして容易なタスクではない。海外においても、日本と同じサービス内容、同じ仕組みの移植にこだわる。当然、言語、文化、風習の壁は高い。<br />　しかし、宅急便という革新的で独自のビジネスモデルの構築を国内で成功させてきたヤマトには、顧客と現場を起点に地道にビジネスモデルを築いていく独自の粘着性がある。<br />経営としての大いなる野望と卓越した現場力の維持・強化・移植・展開。日本のサービス業の海外での大きな可能性を、ヤマトが証明してくれるはずだ。<br />　神奈川物流ターミナルの玄関には、１９８１年にトヨタと共に開発した宅急便専用車両ウォークスルー車の第１号が展示されている。現場の知恵が結集したこの車両にこそ、ヤマトのスピリットが凝縮されている。ヤマトはいつの時代にあっても、「現場の会社」である。<br />　 <a href="http://gemba-sembonknock.com/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB9.jpg"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="31 ヤマト神奈川物流ターミナル9.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2012/01/31%20%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%89%A9%E6%B5%81%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB9-thumb-300x210-505.jpg" width="300" height="210" /></a>
<div align="center"><font style="FONT-SIZE: 0.8em">ウォークスルー車　1号車<br /></font></div>
<div><br /></div>
<div><br /></div>
<div><br /></div>
<div><br /></div>
<div><br /></div>]]>
        
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    <title>第３０話　ヤマト運輸　都筑仲町台センター　</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://gemba-sembonknock.com/2011/12/05/0900.html" />
    <id>tag:gemba-sembonknock.com,2011://4.38</id>

    <published>2011-12-05T00:00:00Z</published>
    <updated>2011-12-05T00:37:20Z</updated>

    <summary>　ヤマト運輸は言わずと知れた日本が誇る「現場力」企業である。「宅急便」という日本...</summary>
    <author>
        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　ヤマト運輸は言わずと知れた日本が誇る「現場力」企業である。「宅急便」という日本発のイノベーションを開発し、日本を支えるプラットフォームとして定着させ、さらに進化を続けている。<br />　中興の祖である小倉昌男氏が、それまで採算が合わないというのが常識だった小口荷物に着目し、「宅急便」をスタートさせたのは１９７６年。初日の取り扱い個数は、わずか１１個。それが現在では１３億４千万個（２０１０年度）にまで拡大した。<br />　その「宅急便」ビジネスを支えているのが、自律性、自発性に富み、創意工夫に長けた現場である。ヤマト運輸は日本全国に６９の主管支店、そしてその傘下に約６０００もの「センター」が存在する。網の目のように張り巡らされた「センター」こそヤマト運輸の最前線の現場であり、「宅急便」の生命線である。<br />　今回はそのひとつである横浜市都筑区にある都筑仲町台センターを訪問してきた。このセンターは港北ニュータウンを抱え、今でも人口流入が続くエリアである。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC1.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC1-thumb-300x210-475.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">仲町台センター</font><br /></div><br />　担当世帯数は５０２１世帯。これを８人のセールスドライバー（ＳＤ）、５台の車でカバーする。１日の平均配荷個数は８００個。ほぼ同数の集荷も行っている。５台稼働とすれば、１台当り配荷・集荷併せて３２０個扱っていることになる。<br />　事務所に入って、まず目に飛び込んできたのは、色分けされた「集配マップ」。集配効率がよくなるように「担当コース」が設定され、車を停める位置（「バス停」）が決められている。もちろんこのマップもセンター員全員で作り、随時見直しが行われている。<br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%80%802.jpg"><br /></a><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%80%802.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター　2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%80%802-thumb-300x428-479.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="297" width="209" /></a><font style="font-size: 0.8em;">色分けされた担当エリアマップ<br /></font></div><br />　しかし、荷物が増え続けているこのセンターでは、「担当コース」に沿って日々の担当業務を淡々とこなすだけではすまない。最大の課題は、「持ち戻り荷物」である。午前中に配達すべき荷物が、受け取り人不在などのため「持ち戻り」となってしまい、結果として午後以降の再配達を余儀なくされてしまう。余分な手間が掛かるだけでなく、本来集荷に充てるべき午後の時間が奪われてしまい、集荷を増やし、収益貢献することができない。<br />　そこで、このセンターでは独自の「集配改革」に実験的に取り組んでいる。それはパート社員を活用した「チーム集配」と呼ばれている。<br />　「持ち戻り」を減らすためには、在宅確率が高い午前１０時までに配達できるかどうかが鍵となる。しかし、ＳＤ１人がどんなに頑張ったところで、身体はひとつしかなく、限界がある。そこで主婦を主としたパート社員をＳＤのパートナーとして付け、チームを組むことによって、午前１０時までの配荷率を高めようとする試みである。<br />　パート社員のコストという問題を除けば、理屈的には正しい。しかし、実際にこれを運用しようとすれば、現場では様々な壁に直面する。例えば、配達エリアを熟知していないパート社員が期待通りの効率で配荷できるのかどうか。さらには、パート社員も業務上不可欠であるハンディ端末を使いこなすように指導しなければならない。<br />　こうした障壁を、仲町台センターは自分たちの知恵と努力で乗り越えようとしている。パート社員が持ち運びできるように、色分けされたエリアマップやハンディ端末の操作マニュアルを自分たちで作成した。また、車の荷台にはパート社員が配達すべき荷物が確実に分かるように、曜日と方面を指定する大きな表示が、明確に色分けされて施されている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%80%803.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター　3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%80%803-thumb-300x210-481.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">パート社員用に作成した携帯エリアマップとハンディ端末操作マニュアル</font><br /></div><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC4.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC4-thumb-300x210-483.jpg" class="mt-image-none" height="169" width="242" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC5.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC5-thumb-300x210-485.jpg" class="mt-image-none" height="171" width="245" /></a><br /><font style="font-size: 0.8em;">　　　　　　　　　宅急便の車内　　　　　　　　　　パート社員に分かりやすいように表示されている<br /></font><br />　ひとつずつは小さなアイデア、改善である。しかし、それは現場業務を熟知しているＳＤだからこそ生み出すことのできる「実践知」である。ヤマト運輸の現場力の真骨頂はここにある。<br />　この「集配改革」の効果は、既に出ている。これまでは毎日１?２割あった「持ち戻り」荷物が、半数以下に減っていると言う。パート社員を雇う追加コストについては、これまで社外に出していたメール便業務も担当してもらうことで、軽減しようとしている。<br />　ヤマト運輸の現場力は、現場における日々の努力と工夫を客観的に評価する仕組みによって進化している。ＳＤ個人別に「マイＵＰシート」と呼ばれる個人評価シートが毎日「見える化」され、前日の業務パフォーマンスや目標との差、主管内順位が明らかになる。<br />　項目は約１５。「出勤?出庫」（出勤してから出庫するまでに要した時間）、「帰庫?退勤」（センターに戻ってから退社するまでに要した時間）、「８時台配完率」、「ＡＭ配完率」、「ＡＭ集荷率」などの実績が数値化され、レーダーチャートで示されると共に、主管内総合順位、総合判定（Ｓ、Ａ、Ｂなど）が出される。自分の弱点、課題が明確になると共に、競争意識を上手に煽っている。<br /><br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC6.jpg"><img alt="30ヤマト都筑仲町台センター6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/12/30%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E9%83%BD%E7%AD%91%E4%BB%B2%E7%94%BA%E5%8F%B0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC6-thumb-300x210-487.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">マイUPシート</font><br /></div><br />　現場力と業績評価は不可分の関係にあるが、個人主体の評価の仕組みだけではバランスを欠いてしまう。ヤマト運輸でも評価の基軸になるのは、あくまで「センター」単位である。全国約６０００のセンターのランキングが毎日出され、そのランキングを上げるために、センター員全員で努力し、助け合う。特に、主管支店内でのランキングは特に気になると言う。<br />　したがって、センター長、サブセンター長という現場長の役割はきわめて大きい。ヤマト運輸の現場力を支えているのは、全国約６０００人のセンター長にあると言っても過言ではない。彼らはセンターの管理者であるだけでなく、時にはＳＤと同乗して指導する役割も担う。センター長を核とした強靭な遠心力こそ、ヤマト運輸の強みである。<br />　実績を上げたセンターは、半期ごとに主管支店内で表彰される。さらには、毎年全社表彰が行われ、現場の努力に報いる仕組みができ上がっている。社長が全社表彰されたセンターを訪問し、労うこともあるという。現場力を養うためには、「褒める文化」は欠かせない。<br />　今回、仲町台センターで２人のＳＤにお話を伺うことができた。なんといっても印象的だったのは、彼らの仕事に対する真摯な姿勢である。公を守る自衛官や消防隊員かと思うほどの高い使命感と意欲を感じ、驚いた。<br />　彼らはこう教えてくれた。「うちにもマニュアルやルールはあります。でも、マニュアル通りにやったら、確実にクレームになります」。これが「宅急便」ビジネスの本質である。だからこそ、彼らはお客さまの求めているものを常に考え、知恵を出し、工夫しようとする。そして、彼らはこうも教えてくれた。「この仕事はやりがいがあります」。<br />　ヤマト運輸には１９３１年に制定された「社訓」がある。そして、それらは現場の毎朝の朝礼で今でも唱和され、日々の業務の大切な指針となっている。<br /><br />一、&nbsp;&nbsp; &nbsp;ヤマトは我なり<br />一、&nbsp;&nbsp; &nbsp;運送行為は委託者の意思の延長と知るべし<br />一、&nbsp;&nbsp; &nbsp;思想を堅実に礼節を重んずべし<br /><br />　立派な社訓や経営理念、行動指針を掲げている会社は多い。しかし、その多くは額縁に飾られた単なる「お題目」となってしまっている。「社訓」が現場に根付き、生きていることこそ、ヤマト運輸の最大の「競争力」である。<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第２９話　MUJI USA</title>
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    <published>2011-11-28T03:58:26Z</published>
    <updated>2011-11-28T00:29:45Z</updated>

    <summary>　無印良品（MUJI）を展開する良品計画の海外展開については、第２４話で中国・上...</summary>
    <author>
        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　無印良品（MUJI）を展開する良品計画の海外展開については、第２４話で中国・上海での取り組みについて紹介した。今回は米国・ニューヨークで展開する４つの店舗を視察する機会に恵まれた。<br />　MUJIの米国における１号店のオープンは、２００７年１１月。わずか４年前のことだ。場所はSOHO。その翌年にTimes Square店、Chelsea店、さらには空港や駅内でトラベル・出張・旅行用品などを中心に展開する小型店MUJI to GOをJohn F. Kennedy（JFK）国際空港内にオープンし、現在は４店舗体制である。<br />　２０１０年度の売上高はオンラインも含め、約＄１０Ｍ。年間客数は合計３５万人。２０１１年度の売上高は対前年比３０％超。オープンした時の勢いをまた取り戻しつつある。<br />　最初に訪れたのは、JFK空港のJetBlue航空のターミナルで展開するMUJI to GOの店舗。JetBlueは１９９８年に設立された米国の有力LCC（格安航空会社）である。このターミナルだけで、年間６００万人が利用する。商売の面だけでなく、ブランド認知の面でも効果は大きい。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI1.jpg"><img alt="29 MUJI1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI1-thumb-300x210-459.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">MUJI to Go JFK店</font><br /></div><br />　わずか１７坪の小店だが、この店は２００９年に国際空港評議会北米支部が主催する「Excellence in Airport concessions Contest」（空港サービス施設の優秀度コンテスト）の「Best New Retail Concept」（ベスト新小売コンセプト）部門の２位を受賞した。旅・移動に便利な商品を中心に品揃えを「再編集」したコンパクトな業態が、空港における新たな物販サービスとして評価されたのである。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI2.jpg"><img alt="29 MUJI2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI2-thumb-300x210-461.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">JFK店内から見たターミナル</font><br /></div><br />　実際、品揃えを見ると、キャリーバッグや文具品などと並んで、ビーチサンダルや洗濯物を干すための小型のハンガーなどが置かれている。ビーチサンダルはフロリダなどのビーチに行く人たちが、ハンガーは地方の大学などに入学する息子や娘たちに会いに行く母親たちが買っていくと言う。「MUJI to GOに行けば、何か面白いものがある！」という評判がツーリストの間で広がっている。クリエイティブな品揃えこそMUJI to GOの生命線である。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI3.jpg"><img alt="29 MUJI3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI3-thumb-300x428-463.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="250" width="175" /></a><font style="font-size: 0.8em;">よく売れているハンガー</font><br /></div><br />　MUJI to GOは現在国内５店舗（成田、関西、セントレア）、海外３店舗（NY、香港、台北）で展開されている。ビジネス、観光など人の移動がますます多くなる中で、とても期待できる業態ではあるが、現実的には越えなければならないハードルも多い。<br />　メジャーな空港や駅内で店舗を開設しようとすれば、Travel Retailerと呼ばれるプレイヤーとの協業が不可欠である。最もよく知られている、世界最大のTravel Retailerは、LVMHグループの傘下であるDFSギャラリアである。空港や駅内での商業利権を持つこうしたTravel Retailer と組まない限り、メジャーな空港、駅での展開拡大は困難である。そして、そうしたTravel Retailerの歩合も含めた出店コストは当然高くなる。ビジネスチャンスは大きいものの、収益性で考えれば、闇雲に出店はできない。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI4.jpg"><img alt="29 MUJI4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI4-thumb-300x428-465.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="250" width="175" /></a><font style="font-size: 0.8em;">子どもへの土産として人気のあるLEGO</font><br /></div><br />　JFK空港を後にして、マンハッタンに戻り、残りの３店舗を見て回った。Times Square店は２００８年５月オープン。坪数約１２０坪。The New York Timesビルの１階にある。通りに面した全面ガラス張りの店舗で、明るくお洒落な店構えだ。ガラス越しに吊るされた「MUJI」の大きなロゴはとてもインパクトがある。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI5.jpg"><img alt="29 MUJI5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI5-thumb-300x210-467.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">Times Square店</font><br /></div><br />　近辺のビジネスパーソンを中心に、年間約８万人が来店する。他のお店に比べると、アパレルのウエイトが生活雑貨よりも高いと言う。<br />　次に向かったSOHO店は、米国における１号店である。９０坪にも満たないけっして大きいとは言えない店舗だが、MUJI NYでは一番の集客、売上高を誇る店である。<br />　年間１４万人を超える来店客は、観光客も多いが、地元の人たちにも愛されている。トムハンクスも来店するという人気店だ。<br />　そして、アートギャラリーなどが集中し、ポップでお洒落な街として人気の高いエリアにあるChelsea店。ここも１００坪に満たないお店だが、地元の人たちで賑わっていた。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI6.jpg"><img alt="29 MUJI6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI6-thumb-300x210-469.jpg" class="mt-image-none" height="170" width="243" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI7.jpg"><img alt="29 MUJI7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI7-thumb-300x210-471.jpg" class="mt-image-none" height="168" width="241" /></a><br />　　　　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">Chelsea店　　　　　　　　　　</font><font style="font-size: 0.8em;">　　　　　Chelsea店店内</font><br /><br />　１号店オープンから４年。MUJIがニューヨークの人たちに愛され、少しずつ根付いているという確実な息吹を感じた。４つの店舗の店長は、いずれも女性。内１人は日本人だが、他の３人は台湾出身。MUJIに愛着を感じ、オーナーシップがとても強い。彼女たちが若いMUJI NYを支えている。<font style="font-size: 0.8em;"><br /><br /></font><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI8.jpg"><img alt="29 MUJI8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/29%20MUJI8-thumb-300x210-473.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">JFK店の台湾人店長</font><br /></div>　<br />　ニューヨークに限らず、米国の東海岸地域はMUJIにとってとても大きな可能性を秘めた市場である。華美を排した合理性、機能性、エコ性、デザイン性を重視する新しい価値観を持った人たちがとても多い。新しいものを受け入れる開放性も持ち合わせている。<br />　北はボストン、ニューヨークを挟んで南はワシントンＤＣ、フィラデルフィア。さらには、ニューヨークとボストンの中間にあるケープ・コッド、ナンタケットは富裕層の住む有名なリゾート地である。こうした東海岸エリアを「面」として捉え、どのように今後店舗展開をしていくのか？ワクワクするような店舗講想が描けそうだ。<br />　海外展開というと、今はどうしても中国を始めとする新興国にばかり目が行く。もちろんそこでは巨大な需要、ビジネスチャンスが生まれているのだが、その一方で、米国は世界最大のGDPを誇る国であり、「米国での成功なくして、真のグローバルブランドとは呼べない」と言われる市場でもある。新興国の台頭、目先の景気の悪さだけで、軽視してしまったのでは、後で大きなしっぺ返しをくらう可能性もある。<br />　世界展開を加速するユニクロは、私が訪問した直後の１０月１４日に世界の有名ブランドが軒を連ねる５番街に過去最大規模のグローバル旗艦店をオープンさせた。さらには、翌週２１日には、小売り激戦区３４丁目に世界で２番目の広さを誇るメガストアを出店した。<br />　この２つの店舗で１２００人以上の従業員を新たに採用。明るい話題の少ないニューヨークで大きな注目を集めていた。中国などアジアで出店攻勢をかけるユニクロであるが、ニューヨークは「世界のショーケースであり、別格」と考えている証左でもある。柳井正会長兼社長は「ニューヨークは賃料も世界一高いが、ここで成功すれば世界で通用する」と野望を口にする。<br />　東海岸は目の肥えた先進的な消費者が住むエリアである。東海岸で揉まれ、存在感を示すことは、MUJIがグローバルブランドとして認知されるためには、欠かせない要素であろう。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/29%20MUJI8.jpg"><br /></a><br />　 <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第２８話　コープさっぽろ本部 ＆ にしの店</title>
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    <published>2011-11-14T00:48:35Z</published>
    <updated>2011-11-14T01:19:31Z</updated>

    <summary>　このコラムの第４話で取り上げた生活協同組合コープさっぽろに再訪してきた。今回は...</summary>
    <author>
        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://gemba-sembonknock.com/">
        <![CDATA[　このコラムの第４話で取り上げた生活協同組合コープさっぽろに再訪してきた。今回は本部で大見英明理事長のお話を伺い、業績好調なにしの店を訪問してきた。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D1.jpg"><img alt="28コープさっぽろ1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D1-thumb-300x214-438.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="214" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">店舗を再利用した本部<br /></font></div><br />　コープさっぽろは１９９６年に経営危機に陥り、日本生協連合会からの２１７億円にも上る資金投入、経営トップの派遣を受け、リストラを断行。「残るも地獄・去るも地獄」と言うほどの厳しい経営改革を行い、今では日本を代表する先進的な小売業へと変貌を遂げたことは、第４話でもご紹介した。<br />　今回、大見理事長から経営危機からいかに再生を果たしたのか、より具体的で、生々しいお話を伺うことができた。経営危機に陥った最大の理由は、実質２５年にも及んだワンマン体制を背景とする事業多角化の失敗、銀行借入金の増大であった。<br />　事業構造の抜本的な見直しは待ったなしの状況だった。戦略なき多角化によって広がった家庭用品、家電・家具・スポーツ・衣料品などの不採算部門からは撤退し、旅行・ホーム・文化事業・ホテルなどの不採算事業は切り離しを行った。<br />　多角化に熱を入れる一方で、スーパーマーケット（ＳＭ）事業はじり貧の様相を呈していた。大見理事長は「基幹事業（ＳＭ）で負けた」と振り返る。そして、食品中心の「おいしいお店」に原点回帰すると共に、不採算店舗の廃止も断行せざるをえなかった。<br />１９９７年度には１１２にまで増えた店舗数を、２００３年度までに６３店舗閉店、４９店舗体制にまで縮小させた。「身の丈」を半分以下に削らざるをえなかった。残った店舗には食品ＳＭとしての標準化を導入し、チェーンオペレーションの基本を徹底させた。<br />　事業の縮小に伴い、人にも手をつけざるをえなかった。正規社員４５０人、パート１０００人の希望退職を実施、１年で達成した。残った社員も役員３０％、正規社員１５?２０％、パート６％の給与カットを実施した。<br />　大見理事長はこう邂逅する。「多くの職員は悪いのはトップ、私は悪くないと思っていた。しかし、職員の意識や働き方が変わらないと再生はありえない」。危機意識、痛みを組織全体で共有しなければ、瀬戸際の状況から脱することは困難であった。<br />　「『ぶら下がり社員』がいたのでは、また同じ状況に陥る」。大見理事長は人事評価制度にメスを入れ、能力主義、成果主義の考え方を導入した。その内容は、ぬるま湯に浸かっている多くの日本企業から見ると、とても厳しいものに映るかもしれない。<br />　目標管理による達成度評価で減給や降格するのは当たり前。各部の不適格者は、「つまはじき職場」と呼ばれる生協への加入促進を行う専任部隊へと放り込まれ（２軍落ち制度）、そこから自分自身で這い上がってこなければ、永久に浮かんでこれない。<br />　コープさっぽろの人事考課の原則は、「Ａ１５％、Ｂ７０％、Ｃ１５％」である。Ａは「ランクアップ」、Ｃは「降格」である。１５％もの人が降格対象となる。もちろん、降格だからといってすぐに首になるわけではない。自分自身を見直す期間が与えられ、上司は降格した人への動機付けをしっかりと行わなければならない仕組みになっている。<br />　それでも「横並び」に慣れてしまった日本企業にとって、「降格」は心理的な壁が大きい。「何もそこまで・・・」と思う人も多いだろう。<br />　しかし、「地獄」を見たコープさっぽろは、「働かない」「努力しない」職員が「人罪」であることを、身を持って体験している。自分たちの城を守るためには、自分たちで厳しく律しなければならないことを誰よりも理解している。<br />　バブル期には２５００人いた正規職員は、現在は１４００人を切るところまで削減している。その間、売上高は１．７倍に拡大。１人当たりの生産性は２倍に上昇している。<br />　一方、成果を上げた人、努力した人に報いる仕組みも充実させている。特に、店舗運営の柱であるパート社員への教育や制度を充実させ、既に７名のパート出身の店長も誕生している。ボトムアップ型の活動にも熱心で、パート社員を対象とした改善事例発表会「北の感動物語」は３ヶ月に１回開催し、現場の知恵を活かす工夫にも力を入れている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D2.jpg"><img alt="28コープさっぽろ2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D2-thumb-300x428-440.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0pt auto 20px;" height="257" width="180" /></a><font style="font-size: 0.8em;">バイオトラック300台のパレードを実施し、ギネス認定<br /></font></div><br />　今の日本企業に「ぶら下がり社員」を抱えるだけの余裕などない。コープさっぽろは宅配事業の成功やエコへの取り組みなどの先駆的事例として取り上げられることが多いが、実は多くの日本企業が最も学ばなければならないのは、人に対する考え方、そしてそれを支える仕組みの在り方である。<br />　本部を後にして向かったのは、札幌市西区にあるにしの店である。２００２年１１月オープン。敷地面積５７０坪。２００台の駐車スペースを備えている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D3.jpg"><img alt="28コープさっぽろ3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D3-thumb-300x207-442.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="207" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">にしの店外観<br /></font></div><br />　オープン当初は「年商２０億いければ・・・」と目論んでいたのが、今では年商３６億円の繁盛店である。この店の最大の特徴は、値頃感のあるものから高級品まで揃えるその「品揃え」にある。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D4.jpg"><img alt="28コープさっぽろ4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D4-thumb-300x209-444.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="209" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">にしの店店内<br /></font></div><br />　たとえば、ブドウでもお手頃な３０８円の巨峰の隣に、１房１５８０円のシャインマスカットが並べられている。野菜売り場でも、２個４９８円の「五十嵐さんちのフルーツトマト」が、普通のトマトと並んで置かれている。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D5.jpg"><img alt="28コープさっぽろ5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D5-thumb-300x211-446.jpg" class="mt-image-none" height="158" width="225" /></a>　　<a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D6.jpg"><img alt="28コープさっぽろ6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D6-thumb-300x433-448.jpg" class="mt-image-none" height="159" width="110" /></a><br />　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">ブドウコーナー　　　　　　　　　　高級フルーツトマト</font><br /><br />　西区は比較的高所得者層が多く住むエリアである。札幌市長の自宅も近くにあるという。当然、競争も激しい。２km圏内に西友、ラッキー、マンボウなど５店舗がしのぎを削っている。<br />そうしたエリアのニーズに応え、競争に打ち勝つために、にしの店では「少し高くても、よいもの」を揃えることを差別化の重要なポイントとして打ち出している。「コープに行けば、いいものが手に入る」は既にエリアでは定着している。小山店長は「この辺りで飛騨牛を常時扱っているのはうちだけですよ」と胸を張る。<br />コープさっぽろは店舗の「標準化」を進める一方で、品揃えなどについてはそれぞれの地域に合った「個店主義」も大切にしている。それぞれの店舗が、自分たちで「店づくり」を考え、「売り場づくり」を行う。求心力と遠心力のバランスが、コープさっぽろの強みでもある。<br />　にしの店でもパート社員の戦力化に熱心に取り組んでいる。職員は２６人。それに対して、約１４０人ものパート社員、アルバイトがこの店で働き、大きな戦力となっている。<br />　バックヤードに行くと、いくつかの手作りのボードが貼られている。ひとつは「応待点数表」。パート社員ひとり一人の写真が貼られ、「声」（２台先まで）、「笑顔」（お迎えとお見送り）という項目毎に○、△、×が評価され、点数化されている。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D7.jpg"><img alt="28コープさっぽろ7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D7-thumb-300x206-450.jpg" class="mt-image-none" height="165" width="241" /></a>　<a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D8.jpg"><img alt="28コープさっぽろ8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D8-thumb-300x208-452.jpg" class="mt-image-none" height="166" width="240" /></a><br />　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">応対点数ボード　　　　　　　　　　　　　　　　　ひとり一人の点数が「見える化」<br /></font><br />　それをまとめたもうひとつのボードには、「全員で１００点ゴール目指してスタートダッシュ！！」というスローガンと共に、各人の写真が店数別に貼られている。既に１２０点、１１０点をとっている人もいれば、まだ７０点以下の人もいる。「見える化」で、パート社員のモチベーションを上手に煽っている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D9.jpg"><img alt="28コープさっぽろ9.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D9-thumb-300x211-454.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="211" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">全員100点が目標<br /></font></div><br />　さらには、「本日のスマイル大賞」というボードも設置され、毎日笑顔の素晴らしい人にはマークが付く。そして、それをもとに毎月３人が表彰される。こうした現場力強化の仕組みは、小山店長と職員たちが工夫して、手作りで行っている。<br /><br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D10.jpg"><img alt="28コープさっぽろ10.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/11/28%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%95%E3%81%A3%E3%81%BD%E3%82%8D10-thumb-300x207-456.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="207" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">スマイル大賞ボード</font><br /></div><br />　小山店長は職員やパート社員に、「温度に敏感になれ！」と「温度ＭＤ（マーチャンダイジング）」を熱心に指導する。天気や温度を常に意識して、品揃えや販促を工夫する。少し寒くなれば「おでん」を目玉にし、「主婦目線」で日々の変化に合った提案をする。「『買う側』と『売る側』のギャップを埋めるには、現場で毎日考えて、工夫するしかない。でも、それはとても楽しいこと」と小山店長は教えてくれた。<br />　最後に、小山店長に「降格制度はどうですか？」と質問すると、こういう答えが返ってきた。「降格というのは、ひとり一人が結果に対して責任を持つ仕組み。数字に対する責任を持つことは当然だし、それが励みにもなる」。<br />　「やっても、やらなくても評価は同じ」では、現場力が伸びるはずもない。どの程度の厳しさを打ち出すかは企業によって差があるだろうが、厳しさを伴う適切な評価システムは、現場力の強化には不可欠な要素である。現場の知恵やアイデアを最大限に引き出すために、評価の仕組みはどうあるべきかを考えさせられる訪問となった。<br /><br /><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第２７話　ダイキン工業株式会社滋賀製作所</title>
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    <published>2011-10-30T23:00:00Z</published>
    <updated>2011-10-31T03:42:28Z</updated>

    <summary>　滋賀県のＪＲ草津駅からタクシーで約１０分。ダイキン工業の家庭用空調機器のマザー...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
    </author>
    
    
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        <![CDATA[　滋賀県のＪＲ草津駅からタクシーで約１０分。ダイキン工業の家庭用空調機器のマザーファクトリー、滋賀製作所に到着する。<br />　１９７０年操業開始。約２８万平米の広大な敷地に３つの工場のみならず、商品開発センターや研究所を擁するダイキンの中枢工場である。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B31.jpg"><img alt="ダイキン1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B31-thumb-300x210-424.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">製作所全景</font><br /></div><br />　ダイキンは１９２４年に大阪金属工業所として創業。１９６３年に大（ダイ）と金（キン）をとったダイキン工業に改名した。同社の柱である空調事業の売上高は約９４００億円。米国のキャリア社（コネチカット州）を抜いて、世界一となった。ちなみに、同社は化学品にも強く、フッ素化学製品は米国のデュポンに次いで、世界２位にシェアを有している。<br />　空調分野ではもともとビル用などの業務用に強みを持っていたが、家庭用でも力をつけ、加湿機能と除湿機能の両方を兼ね備えたルームエアコン「うるるとさらら」のヒットなどで、国内ではパナソニックに次ぐ２位のシェアを確保している。<br />　滋賀製作所で生産している製品は、主に国内向けの高級機種。リーマンショック前には年間約１６０万台生産していたが、現在は１００万台程度。提携している中国・格力電器へ普及品を生産移管していることもあり、生産台数は減少傾向にある。<br />　しかし、滋賀製作所の真骨頂は、生産規模ではない。一口に１００万台といっても、それを構成する機種数はなんと２５０。１日に生産する機種のバラエティだけでも、１００種類を超えるという。これだけの機種を、段取り替えなしで、いかに効率的に生産するかが工場の腕の見せ所である。<br />　しかも、空調機器は需要の季節変動がきわめて大きい。ピーク時とボトム時では、３倍ものボリュームの差がある。<br />　季節変動の大きな多品種少量生産を可能にするために、滋賀製作所が生み出した生産方式が「変種変量生産」。最新の市場情報を日単位で生産計画に反映させ、需要変動に対応するフレキシブルな生産システムである。<br />　たとえば、私が見学した室外機を担当するＡ１ラインは、１日に１４４０台を生産するが、その機種数は１２３機種。１個流しの混合生産が行われている。これだけのフレキシビリティを確保するには、それを支える仕組みと多能工の養成が不可欠である。<br /><font style="font-size: 0.8em;"><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B32.jpg"><img alt="ダイキン2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B32-thumb-300x210-426.jpg" class="mt-image-none" height="170" width="243" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B33.jpg"><img alt="ダイキン3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B33-thumb-300x210-428.jpg" class="mt-image-none" height="168" width="242" /></a><br /></font><div align="left">　　　　　　　　　　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">室外機の製造ライン</font><br /></div><br />　室内機の生産ラインは全部で４ライン。セルをラインの中に組み込んでいる。６人の作業者が１１セルを担当している。ここでは、作業者に合わせて作業台の高さや角度がコンピューターで自動調整される仕組みが組み込まれている。日本人ならではのきめ細かい対応で、生産性と品質と短納期を確保する仕組みが、ここかしこに見られる。<br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B34.jpg"><img alt="ダイキン4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B34-thumb-300x210-430.jpg" class="mt-image-none" height="169" width="250" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B35.jpg"><img alt="ダイキン5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B35-thumb-300x210-432.jpg" class="mt-image-none" height="167" width="241" /></a><font style="font-size: 0.8em;">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　室内機の製造ライン</font><br /><div align="center"><br /></div>　自動化できるものは自動化し、機械に任せられるものは機械に任せる。実際、多くの工程はダイキン独自の生産技術により、自動化が進められている。たとえば、部品や仕掛品を運搬する無人搬送車（AGV）はいたるところを走り、製造工程のみならず、梱包ラインの段ボールを組み立てる工程も自動化されている。<br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B36.jpg"><img alt="ダイキン6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B36-thumb-300x210-434.jpg" class="mt-image-none" height="166" width="239" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B37.jpg"><img alt="ダイキン7.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B37-thumb-300x210-436.jpg" class="mt-image-none" height="172" width="250" /></a><font style="font-size: 0.8em;">　　　<br />　　ダンボールの自動化ライン　　　　　　　　　　　　見える化ボード</font><br /><br />　その一方で、人手に頼った方がフレキシビリティを確保できる工程は、作業者をサポートする仕組みを組み込む。一見何気ない生産ラインだが、実は人間の知恵とアイデアが高度に詰まった創意工夫溢れるラインなのである。<br />　私が訪問した時、ちょうど提携先の中国・格力電器の技術者たちが、「変種変量生産」を学びに滋賀製作所を訪問していた。格力は美的電器と肩を並べる中国のエアコン２強の一角である。中国のエアコン市場は１億１千万台。日本のエアコン総市場が約７００万台であるから、実に１５倍以上の規模である。格力１社でなんと３５５０万台を生産し、近い将来５０００万台を目指していると言う。桁違いの規模である。「体格」では勝負にならない。<br />　しかし、彼らが現在生産しているのは、ボリュームゾーンの廉価品。画一的なロット生産を力づくで行うのは得意だが、フレキシビリティとは程遠い。格力も「規模の追求」だけでなく、「柔軟性の追求」にも目を向けているが、それほど簡単なことではない。<br />　こんなエピソードを聞いた。「格力の技術者はすぐに"How"を聞きたがるが、"Why"は聞かない。すぐに役立つ答えを求めるが、その背景にある理屈を知ろうとはしない」。急成長を続け、目の前の市場を獲得することに奔走する中国メーカーにとっては、日本のモノづくりの本質指向はかえって邪魔なのかもしれない。<br />　そして、より根本的には、「人」に対する思想や哲学がモノづくりの在り方を規定する。人を育て、ひとり一人の能力をいかに最大限に発揮させるかを考える日本的な考え方と、人を「駒」として扱い、ミスをすれば「罰金」を徴収する今の中国メーカーの考え方は、基本的には「水と油」である。その矛盾をクリアーしないと、滋賀製作所に根付いている改善提案制度やマイスターの育成には結びつかない。「体格」は資金と設備でなんとでもなるが、「体質」は人からしか生まれてこない。<br />　滋賀製作所では長年に亘って改善活動に取り組み、現在でも月に３千件以上、１年に数万件の改善提案が出され、それらが生産性や品質の向上に結びついている。また、ダイキン全社で２８名いる「マイスター」（機械部門の呼称、化学部門では「エキスパート」）の内、８名は滋賀製作所で勤務している。いくら形だけを真似ても、「人づくり」の思想が根付かなければ、「変種変量生産」を実現するのは難しい。<br />　その一方で、ダイキンも大きな課題を抱えている。ダイキンは格力電器との業務提携以外に、２００７年に買収したマレーシアのＯＹＬインダストリーズ、その傘下にあった米国を拠点とするマッケイ・インターナショナルなどの生産拠点も抱えている。こうした拠点も含め、「地域で販売する商品は地域で生産する」という"地産地消"モデルを推進するダイキンの生産拠点は、全世界で４９拠点にも及ぶ。<br />　分散するこれらの生産拠点をどのように束ね、統治し、シナジーを追求していくのか。言語、文化、風習、制度が大きく異なるグローバル分散モデルを実現するのは、けっして容易なことではないが、日本のモノづくり企業が乗り越えなければならない大きな壁であることは間違いない。<br />　そして、そのコントロールタワーとなるのが、マザーファクトリーである滋賀製作所である。商品開発機能を兼ね備える滋賀製作所が、さらなる進化を遂げた時に、日本のモノづくり企業の新たなお手本となるグローバルモデルが確立する。「体質」を誇る滋賀製作所であるが、さらなる高みの「体質」を目指そうとしている。<br /><br /> <div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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    <title>第２６話　株式会社駒ヶ根電化</title>
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    <published>2011-10-24T03:24:34Z</published>
    <updated>2011-10-24T07:20:13Z</updated>

    <summary>　国内の産業の空洞化、日本のモノづくりの危機がじわじわと押し寄せている。そのひと...</summary>
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        <name>山下　裕子</name>
        
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        <![CDATA[<div align="center">　国内の産業の空洞化、日本のモノづくりの危機がじわじわと押し寄せている。そのひとつの象徴が、めっき業界かもしれない。亜鉛や錫、ニッケルなどの金属表面処理は、モノづくりには欠かせない産業であるが、リーマンショック以降、その国内の市場規模は縮小を続けている。<br /></div>　日本のめっき処理市場は、２００７年には約５５００億円だったが、２０１１年には４０００億円を切ると推計されている。企業数も２００７年の１８１７社から、２０１１年には１５５４社と１４％も減少している。<br />　市場規模の縮小、環境規制の強化、後継者難など、経営を継続するにはあまりにも困難な要素が、中小・零細企業中心のめっき業界を襲っている。特に、環境対策への設備投資に最低でも数千万円単位の投資が必要な環境規制の強化は、体力のない企業を廃業へと追い込む。力のない会社、意欲のない会社が淘汰されていくのは、ある意味で必然である。<br />　しかし、だからといって「めっき」そのものの価値が下がっているわけではない。むしろ、新たな分野での用途開発が広がると同時に、めっきそのものがブラックボックス技術となる可能性さえある。<br />　たとえば、電子部品におけるめっきはその重要性が高まっている。微細化、高密度化が進む電子部品では、めっき以外で金属と金属を接合するのが困難である。一見「時代遅れ」と思われがちなめっきの技術が、実はハイテクを支えているのである。<br />　<a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%961.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化1.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%961-thumb-300x210-409.jpg" class="mt-image-none" height="166" width="240" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%962.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化2.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%962-thumb-300x210-411.jpg" class="mt-image-none" height="168" width="240" /></a><br />　　　　　　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">社屋　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　工場入り口<br /></font><br />　今回、訪問した長野県駒ヶ根市の駒ヶ根電化は、めっきの新たな可能性を追求し、革新的な経営に挑戦する"野心"ある会社である。昭和２１年創業。昨年６５周年を迎えた。<br />　駒ヶ根電化は自らの事業領域（ドメイン）を、「水＋薬品＋知恵＆最適ＱＣＤめっきサービス」と規定している。めっきは水と薬品だけでできるものではない。そこに経験に裏打ちされた人間の知恵が複合されることによって、めっきは無限の可能性を秘めている。中期計画では、年商２０億円、経常利益２億円の目標を掲げている。<br />　駒ヶ根電化でさえ、リーマンショックの時には受注量が半減したと言う。徐々にボリュームは回復したが、単価の下落は避けられない。現在は３年先を見据えた見積もり依頼が増えている。<br />　正社員約７０名、派遣社員等を含めると約１１０名の陣容。零細企業が多いこの業界では、「力」のある会社である。平均年齢も４１歳と、若手の採用にも積極的に取り組んでいる。<br />　今回の訪問で、私が最も驚いたのは、全自働の製造ラインが設置されていることだった。めっきというと、人手に頼った労働集約的なものという固定観念に囚われていた私にとっては、驚きの発見だった。<br /><br /><br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%963.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化3.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%963-thumb-300x210-413.jpg" class="mt-image-none" height="168" width="241" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%964.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化4.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%964-thumb-300x210-415.jpg" class="mt-image-none" height="167" width="239" /></a><br />　　　　　　　　　　　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">全自動専用ライン<br /></font><br />　「全自働バレル亜鉛めっき専用ライン」と呼ばれるこのラインは、ある大手部品メーカー専用のラインである。バレルと呼ばれる円筒形の"箱"にめっきする部品を入れ、いくつかの工程を経て、めっきが自動的に行われる。この専用ラインは２００８年１０月から稼働している。<br />設備自体が半地下になっており、有害物質を外に出さないための対策が施されている。２４時間フル稼働が可能で、短納期にも対応できる。<br />　この製造ラインは大手部品メーカーが約１．５億円もの設備投資を行い、駒ヶ根電化と共同で開発したものである。設備そのものは大手部品メーカーの資産であるが、これだけの設備投資をめっきにするのだから、めっきという工程がいかに重要視されているかが分かる。ここでめっきされた自動車部品は、現在１０トントラックで週３回納入されていると言う。<br />駒ヶ根電化では、他にも顧客専用のラインが２本存在する。いずれも付加価値の高い、電流センサーなどの電子部品のめっきを行っている。めっきのプロである駒ケ根電化は、単なる「加工業者」ではなく、一緒に新たなモノづくりを考え、実現する「パートナー」として認識されている証左である。<br />　昔ながらの単純なめっきは、既に中国などに移管され、日本には残らない。付加価値の高い、新たな用途開発、技術開発に挑戦することが、生き残り、勝ち残りのための唯一の道である。変わることに逡巡などしていられないのだ。<br />一方で、地道な現場力強化の活動にも力を入れている。全員参加の生産保全活動であるTPM（Total Productive Maintenance）に熱心に取り組み、「目で見る管理」は徹底されている。<br /><div align="center"><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%965.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化5.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%965-thumb-300x210-417.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" height="210" width="300" /></a><font style="font-size: 0.8em;">「見える化」ボード</font><br /></div><br />　駒ヶ根電化の先進性は、経営管理という視点からも、新たな取り組みに挑んでいる点である。たとえば、自動車産業に特化した品質マネジメントシステムの国際標準規格であるISO/TS16949の取得に取り組んでおり、来年夏には取得できる見込みである。これは世代間の技能継承の取り組みでもある。<br />　また、環境管理会計のひとつの手法であるMFCA（マテリアルフローコスト会計）を導入し、水や薬品などの使用量の削減に挑んでいる。大手企業でも未導入のところが多い中で、この取り組みは大きな評価に値する。この取り組みによって、駒ヶ根電化は２０１０年度の「環境効率アワード」の特別賞を受賞している。<br />　お話を伺った社員食堂の片隅に、達筆の書が掲げられていた。あまりに達筆で、私には判読できなかったが、これが駒ヶ根電化の社是であった。「俺がやらねば誰がやる。今やらなくていつできる」。この自発性、行動重視の姿勢が、駒ヶ根電化の発展を根っこで支えてきた。<br /><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%966.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化6.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%966-thumb-300x210-419.jpg" class="mt-image-none" height="189" width="272" /></a><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%968.jpg"><img alt="26 駒ヶ根電化8.jpg" src="http://gemba-sembonknock.com/assets_c/2011/10/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%968-thumb-300x424-421.jpg" class="mt-image-none" height="182" width="129" /></a><br />　　　　　　　<font style="font-size: 0.8em;">　　社是　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「八宝心書」</font><br /><br />　そして、この社是を受けて、２０１１年８月、駒ヶ根電化は「八宝心書」という新たな行動指針を策定した。この行動指針は、日頃大切にしている、大切にしたい共通の想いを、より分かりやすく現代風の八つの言葉に落とし込んだものである。候補案を出し合い、社員のアンケートを参考にまとめ上げた。<br />　「八宝心書」のひとつ目の言葉にはこう書かれている。「まずは私がやる。ずくを出して行動する」。「ずく」とは駒ヶ根地方の方言で、「やる気」のことである。<br />日本の産業競争力が、国際競争力を維持・発展するためには、中堅・中小企業の力が不可欠である。駒ヶ根電化のような独自の強みを磨き、進化を続ける企業が増えることが、日本のモノづくりが再度活性化する必須条件である。<br /><br /> <div><a href="http://gemba-sembonknock.com/26%20%E9%A7%92%E3%83%B6%E6%A0%B9%E9%9B%BB%E5%8C%968.jpg"><br /></a></div><div align="center"><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div><div><br /></div>]]>
        
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